2017 Fiscal Year Annual Research Report
Practical seedling production system of Analipus japonicus (Ralfsiales, Phaeophyceae)
Project/Area Number |
15K07560
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
難波 信由 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20296429)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 褐藻マツモ / 保存株 / 人工種苗生産 / 凍結保存 / 塩素殺菌 / 養殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は以下の研究を実施した。 1.「保存株の増殖技術」、「塩素殺菌法を用いた人工種苗生産技術」および「人工種苗からの養殖藻体の作成技術」について、前年度までに得られた研究データの解析を継続した。 2.「液体窒素を用いた保存株の凍結保存技術」については、現在確保しているマツモ保存株を構成する糸状細胞と細胞塊を単離した後、凍害防御剤の条件として4実験区(10% L-プロリン、10% グリセリン、10% L-プロリンと10% グリセリンの混合、凍害防御剤無)を設定して液体窒素を用いた保存実験を実施し、解凍後の生育能力(viability)を比較した。その結果、凍害防御剤として10% グリセリンを用いた実験区で高い生育能力を示し、10% L-プロリンおよび10% L-プロリンと10% グリセリン、凍害防御剤無の順で低くなった。また、糸状細胞よりも細胞塊の生育能力が高いことが明らかになった。 3.平成29年9月8日に岩手県釜石市の岩手県水産技術センターで開催された「海藻類人工種苗生産担当者会議」において、岩手県各漁業協同組会の海藻種苗担当者、岩手県水産振興局の職員および同センター研究員に対して、本研究の報告を実施し、本研究の成果の普及を図った。 4.本研究で得られた成果を検証した。その結果、本研究で開発した「マツモ保存株の増殖」、「液体窒素を用いた保存株の凍結保存」、「塩素殺菌法を用いた人工種苗生産」および「人工種苗からの養殖藻体の作成」技術を用いた「低コストで安定した人工種苗生産システム」は実施可能であること、さらに、このシステムを用いた本種養殖生産体制の確立も可能であることが示された。
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Research Products
(1 results)