2017 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of the breeding system for all females production in kuruma prawn
Project/Area Number |
15K07566
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
伏屋 玲子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産工学研究所, 主任研究員 (40373469)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クルマエビ / 性決定マーカー / 性転換 / SNP / 人工交配 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉鎖循環飼育下で,新規で購入したクルマエビおよび昨年度種苗生産したF1個体を用いて,雌雄・両親の組み合わせを変えて人工交配を行い,眼柄処理を施さない自然産卵で採卵した.受精卵を3等分し,異なる3つの水温区に振り分けて種苗生産を行った.形態により雌雄が容易に判別でき,また個体識別用の標識がつけられる5ヶ月齢の稚エビ歩脚の一部を採取し,個体識別を施したまま飼育を継続した.摘出した歩脚筋肉からDNA抽出キットを用いて,クルマエビゲノムDNAを抽出した.本研究で作成したクルマエビ家系を用いて,昨年度のGBS解析の結果から,性決定と連鎖した3つのSNPを検出している.性と連鎖した各SNPを含むDNA配列から,クルマエビゲノムの東京海洋大学内データベースからDNA断片を検索し,それぞれ3712bp, 1396pb, 223bpのDNA配列を入手した.223bpのDNA断片が得られた1つのSNPは,SNPの位置がDNA配列の末端部に存在したためPCRプライマーを設計できなかったが,他2つのSNPからはPCRプライマーを設計できた.このPCRプライマーを用いて,この性連鎖SNPが他家系でも利用可能かどうかを検討した.そこで今年度作成した新たな家系サンプルでPCRおよびダイレクトシーケンス解析を行ったところ,該当の2つSNPにおいては両親では多型がみられなかった.しかしながら,PCR産物中のSNP近傍のDNA配列において,雌親で新たなSNPを発見した.さらにこの新たなSNPは,今年度の新たな家系サンプルで,80%以上の子孫で性決定と連鎖していた.この新たな性決定SNPマーカーにより性形質と遺伝子型で異なる結果が出た個体は,遺伝的組み換え個体もしくは性転換を起こした個体である可能性がある.そのため,今後はこれらを親エビとして育成後,検定交雑を行うことで実際に性統御ができるかどうか検証することが可能となる成果が得られた.
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Research Products
(6 results)