2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of molecular structures and obese-induced dynamics of myokines in dogs and cats.
Project/Area Number |
15K07755
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
石岡 克己 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (60409258)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイオカイン / イヌ |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋からクローニングしたイヌFibroblast growth factor (FGF) 21は630 bpの翻訳領域、209個のアミノ酸からなり、他の動物種と比較したところ74-90%の相同性を示した。臓器発現分布の解析では、16種類の臓器(肺、胃、十二指腸、空腸、回腸、大腸、肝臓、膵臓、腎臓、脾臓、視床下部、脊髄、骨髄、脂肪、骨格筋、皮膚)全てにおいて発現が確認された。ヒトFGF21のELISAキットのイヌにおける有用性を確かめた希釈直線性試験、同時再現性試験、添加回収試験の結果はいずれも良好であり、本キットはイヌFGF21の測定に有用であると考えられた。健常犬15頭における血中FGF21濃度は平均値0.21 ng/mL、最大値1.1 ng/mL、最小値0.011 ng/mL、中央値0.051 ng/mLであり、雌雄差および年齢差は見られなかった。日内および日差変動、食事の影響が見られなかったことから、採血にあたってこれらを考慮する必要はないと考えられた。 イヌにおいて、マイオカインであるFGF21の血中濃度に運動が及ぼす効果を検証した。3頭のビーグル犬をヒト用トレッドミルを用いて最大速度7 km/hで計10分間、2週間毎日運動(2日間の休みを含む)させたところ、血中FGF21濃度は1頭では1週目に上昇傾向、他の1頭では2週目に僅かながら有意な低下が見られたが、全般的に大きな変動は認められなかった。今後、運動強度のより高い条件下で追試を試行う事が必要と考えられた。次に、さまざまな疾患を持つイヌで血中FGF21濃度を測定したところ、腫瘍、炎症、肝臓疾患群のいずれも健常群より有意に高値を示し、特に腫瘍と肝臓疾患での値が高かった。悪性度や予後との関連についてさらにデータを蓄積すれば、イヌにおける新たな臨床検査項目としての応用が期待される。
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Research Products
(2 results)