2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K07833
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
松村 俊和 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (60589547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 佳宏 兵庫県立大学, 緑環境景観マネジメント研究科, 准教授 (40435897)
橋本 佳延 兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 主任研究員 (60372140)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 植生 / 草原生植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,近年減少の著しい草原生植物をゴルフ場を活用することで保全することを目的としている.具体的には,良好な半自然草原を含むゴルフ場で草原生植物の種多様性と絶滅危惧種の有無を確認することとともに,ゴルフ場の来歴および管理方法との関係から,半自然草原の成立条件を解明することである. 2016年度は,2015年度に引き続き5つのゴルフ場の植物相調査を実施した.十分に調査が行えていなかった春季における植物相の把握に努めた.その結果,それぞれのゴルフ場における春植物を確認した.また,前年度に植生調査を実施したものの未同定であったスゲ類やイネ科の植物について,標本を採取して可能な限り種の同定を行った. さらに,2つのゴルフ場のラフおよびOBにおいて各50地点(1m*1m)の植生調査を実施した.2つのゴルフ場における1地点あたりの最大出現種数は7および8種,最低出現種数はともに1種,平均出現種数は2.1および2.9種であり,全体的に種多様性は低かった.また,これらのゴルフ場におけるコース管理者に聞き取り調査を実施した.前年度までに調査を実施したゴルフ場と合わせて,管理方法と種多様性との関係を解析した結果,草刈り頻度および草刈高が種多様性に大きく影響を与えていることが明らかになった.つまり,草刈り頻度が低く,草刈高が高い地点においては種多様性が高く,逆の地点では種多様性が低かった. また,前年度に採取した希少種を含む草原生植物の種子を苗床に播きだし,順調に生育している.なお,2016年度植生調査を実施したゴルフ場においても種子の採取を計画していたが,草刈り頻度が高いため開花・結実している草原生植物がなく種子の採取ができなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年度は,春季の植物相調査,未同定の植物の標本採取,植生調査の実施およびゴルフ場の来歴および管理方法との関係を明らかにすることを計画していた.このうち,春季の植物相調査および植生調査は計画どおりに実施することができた.ただし,前年度に調査した植物相調査の未同定のスゲ類やイネ科植物の同定のための標本採取等に想定以上の時間がかかった.このため,ゴルフ場の来歴および管理方法との関係のうち,来歴の調査を実施することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度に実施できなかったゴルフ場の来歴を調査する.その結果とこれまでに得た管理方法および植生調査結果を合わせて解析することで,良好な草原の成立条件を明らかにする.また,採取・播種した草原生植物の苗を実際のゴルフ場に植えて,その後の生育状況を追跡調査することで,草原の再生可能性を明らかにする.
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Causes of Carryover |
ゴルフ場の来歴調査が実施できなかったことおよび現地調査の都合により,計画していた金額との相違が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に来歴調査および現地調査の実施に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)