2015 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド型葉緑体を持つ植物の創出とその機能解析
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15K07843
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
稲葉 丈人 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00400185)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / 光合成 / 重炭酸イオン輸送体 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、シアノバクテリアの重炭酸イオン輸送体SbtAのキメラ型タンパク質を発現するシロイヌナズナを作出した。まず、SbtAと葉緑体内包膜タンパク質Cor413im1を融合したキメラ遺伝子を作製し、これをシロイヌナズナに導入した。キメラ遺伝子に付加したprotein Aタグを用いて目的タンパク質を発現している株を選抜した。4種類のキメラ遺伝子を作製したが、そのうちの二つのコンストラクトでタンパク質の発現が確認できた。それらの植物の種子を増殖し、植物体から葉緑体を単離し、キメラタンパク質の葉緑体内局在を調査した。その結果、いずれのキメラタンパク質も葉緑体内包膜に局在することが明らかになった。 また、以前に作出した別の重炭酸イオン輸送体BicAを発現するシロイヌナズナについて、今年度はBicA本体が葉緑体内包膜に埋め込まれているか調査した。具体的には、BicA発現株から葉緑体内包膜の反転膜小胞を調製した。これをTEVプロテアーゼで処理することでBicAとCor413im1切断し、その後アルカリ溶液で膜画分を抽出した。その結果、アルカリ抽出後でもBicA部位は膜画分に局在したことから、導入したBicAは確かに葉緑体内包膜に埋め込まれていることが明らかになった。 以上の結果と以前に得られた成果をとりまとめ、論文として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SbtAキメラタンパク質をシロイヌナズナで発現させてその細胞内局在を調査し、論文発表できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度の研究の進展は順調であったので、次年度以降も引き続き当初計画に従って研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究先への出張費として予定した予算について、先方の共同利用研究に採択され先方負担になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金は消耗品費に使用する予定である。
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