2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of therapeutic and preventive strategies for neurological diseases by low molecular weight functional molecules and compounds derived from foods
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15K07965
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久米 利明 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (10303843)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経保護 / 脳疾患 / 抗酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度報告したNrf2-ARE経路活性化物質に関して、in vitroにおいて更なる検討を行った。毒性のない濃度で最も高い活性を持つ薬物としてTPNA10168を見出した。この薬物はPC12細胞において、6-OHDAによる細胞毒性を濃度依存的に有意に抑制した。その細胞保護作用機序を検討したところ、TPNA10168によってNQO1活性が上昇し、その活性が細胞保護に寄与していることを見出した。さらに、初代培養中脳細胞を用いた検討においては、アストロサイトにおけるHO-1の発現上昇を惹起し、HO-1の活性に依存したCOの産生、さらにcGMPの増加がドパミンニューロン毒性に保護作用発現することを見出した。ニューロンとの共培養によってアストロサイトで発現上昇するタンパク質のうち、最も変化の大きいものとしてケモカインの一つであるCCL6を見出した。そこで、初代培養ニューロン、アストロサイト、およびそれらの混合培養の3つの培養系を構築し、CCL6のニューロンへの作用およびそのニューロン・アストロサイト相互作用における役割を解析した。単独培養ニューロンにおいてCCL6は、24時間前処置したところ、濃度依存的にグルタミン酸神経毒性を抑制した。このニューロン保護作用はCCR1拮抗薬およびPI3K阻害薬により消失した。これらの結果は、CCL6はニューロンのCCR1を介してPI3K-Akt経路を活性化することでグルタミン酸神経毒性を抑制することを示唆している。ニューロン・アストロサイトの混合培養では単独培養ニューロンに比べてグルタミン酸神経毒性が減弱されたが、CCL6はその生存率に影響を与えなかった一方、J113863はその毒性を増強した。以上より、アストロサイトはニューロンと相互作用することでCCL6を発現・遊離し、ニューロンのCCR1を介して神経保護作用を発現することが示唆された。
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Research Products
(9 results)