2016 Fiscal Year Research-status Report
microRNA過剰発現ラットの作製とそれを用いた新しい不整脈発症機序の解明
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15K08179
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森島 真幸 徳島大学, 病院, 特任講師 (40437934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 克重 大分大学, 医学部, 教授 (40253778) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA-30d / 心房細動 / Angiotensin II |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ヒト持続性心房細動患者の心房筋で過剰発現するmicroRNA-30d(miR-30d)は細胞内カルシウム濃度に依存的な転写制御機構により発現が亢進すること、またmiR-30dは心房細動の持続に関わる因子であることを報告した。本事業の先駆けとなるこれらの研究成果をもとに、心筋特異的miR-30d過剰発現ラットの作製を行っている。現在陽性個体が数匹得られている。ラットの作製と並行して、miR-30dの生体内での作用を明らかにするために細胞内Ca2+過負荷病態モデルラットを作成し、病態心におけるmiR-30dの発現増加メカニズムを解析と、病態下における血漿30d発現量の定量を行った。浸透圧ポンプによるAng II、NAの持続投与群では、投与後1週間から収縮期血圧の有意な上昇が確認され、Ang IIとNAの投与量は有効濃度であることを確認した。解剖時の心体重量比はAng II群で有意に増加し肥大を呈していることが判明した。持続的にAng II,NAを負荷したラットの心房筋ではAng II群でのみmiR-30d発現量の有意な増加が認められた。また、Ang IIの急性投与では心房筋のmiR-30d発現量は増加傾向にあった。血漿では、Ang II投与により急性、持続投与ともにmiR-30d発現量は著しく増加させた。さらに、血漿中のmiR-30d発現量は心房筋の発現量と正の相関を示した。以上の結果から、我々が発見したヒト心房細動心筋で過剰発現するmiR-30dは、今後心房細動の発症予測や持続を反映するバイオマーカーとして有用となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miR-30d過剰発現ラットの作製が当初の予定よりも難航しているため、同ラットを用いた心機能解析に時間を要している。しかし、ラットの作製と並行して一過性に細胞内カルシウム過負荷モデルを作製して解析したことで、miR-30dの生体内における作用の一部が解明できた。さらに、本モデルラットにおいて血漿中のmiR-30dを初めて検出することができたため、miR-30dが今後心房細動などの細胞内カルシウム過負荷を生じる病態の発症や持続を反映するバイオマーカ―として有用となる可能性を新たに見出すことができた。よって、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
心筋特異的miR-30d過剰発現ラットの作製と継代を引き続き行うと同時に、細胞機能評価系をより強化するための実験を新たに取り入れる。生体内の微細環境を模した心筋細胞培養システムを構築し心房細動による酸化ストレスが心房筋ミトコンドリア機能障害を引き起こすメカニズムの解明を試みる。そして、同システムを用いて初代培養ラット心筋細胞を培養し、病態負荷と併用してmiR-30dを過剰発現、あるいはノックダウンさせることでmiR-30dが心房筋ミトコンドリア障害に対し治療効果を示すかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
3月納品分について支払いが完了していないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月に支払い予定である。
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Research Products
(4 results)