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2015 Fiscal Year Research-status Report

視床下部腹内側核に作用して走行運動を調節する物質を発見する

Research Project

Project/Area Number 15K08204
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

成田 和巳  福井大学, 医学部, 助教 (80270958)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 重松 陽介  福井大学, 医学部, 教授 (80162593)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords視床下部腹内側核 / レプチン / 歩行運動 / 絶食
Outline of Annual Research Achievements

視床下部腹内側核に作用して走行運動を調節する物質を発見することを目的として、以下の実験を行った。
まずは申請時の時点で、運動を調節する物質の候補としてレプチンを挙げていた。レプチン受容体の作動薬は以前から入手可能であったが、効果の期待できる阻害薬は手に入らなかった。しかし近年レプチン受容体阻害薬(super leptin receptor antagonist)が作成販売されるようなり、薬物による受容体の作用をブロックし効果を検討することが可能なったので、これを用いて実験を行った。
回転かごが付属したケージを用いラットを飼育し、回転数を記録することにより行動量の測定を行った。ラットに72時間の絶食を負荷すると行動量が劇的に増加した。絶食の負荷と同時に浸透圧ポンプを用いて腹腔内に持続投与しレプチンを補うと、この絶食により引き起こされる行動量の増加は抑制された。
我々の以前の研究より、視床下部腹内側核に走行運動の発現を調節する神経細胞群が存在することを明らかとしてきた。また視床下部腹内側核にはレプチン受容体が発現していることが明らかにされている。そこで絶食の負荷と共に視床下部腹内側核へのレプチンの局所投与を行ったところ運動量の増加が抑制された。このことは絶食により体内の白色脂肪の減少と血中レプチン濃度の低下が引き起こされ、それが視床下部腹内即を介して走行運動の増加を引き起こした可能性が考えられる。この仮説における視床下部腹内側核の役割を確かめるために、絶食の負荷と同時に浸透圧ポンプを用いて腹腔内に持続投与しレプチンを補い、視床下部腹内側核にレプチン受容体阻害薬を投与したが、生理食塩水を投与した対照群と比べて有意な差は得られなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

絶食による行動変化やそれに対するレプチンの作用は、回転かごによる運動量の測定により明確に評価できている。一方、レプチン受容体阻害薬を用いた実験については、有意差のある結果は現時点では得られていない。これは実験条件を再検討し、追加実験が必要である。

Strategy for Future Research Activity

絶食による運動の増加が、視床下部腹内側核のレプチン受容体を介して発現することを明らかにする。そのために前年度より継続して、絶食を負荷したラットを用いてレプチン受容体阻害薬を用いた実験を行う。これが明らかとなれば、栄養状態により運動量が変化する機構を説明できる事が期待できる。

またレプチン受容体の細胞内シグナル伝達にはJAK、PI3Kがあることが知られている。そのために薬物を用いてこれらシグナル伝達系の活性化もしくは阻害を行い、それらが運動量の調節に関わるか検討する。これが明らかとなれば、運動量を調節する薬物の開発につながることが期待できる。
またレプチン以外の物質で視床下部腹内側かに作用して運動量を調節する物質を検索する。候補として行動量の調節に関与していると示唆されているいくつかのホルモンとそれら受容体の作動薬、阻害薬の候補をいくつか考えている。これらの実験により、内部環境の変化に応じて行動量が変化する機構を明らかにすることが出来る。

Causes of Carryover

おおむね予定通りの支出をしている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

引き続き行う今後の実験で使用する予定である。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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