2015 Fiscal Year Research-status Report
モノアシルグリセロールリパーゼによる脂質ホメオスタシスの多面的制御メカニズム
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15K08296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北 芳博 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20401028)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モノアシルグリセロールリパーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の予備的知見から、MGLがエネルギーホメオスタシスに関わることが分かっていたが、その詳細なメカニズムは不明であった。本研究課題の目的は、遺伝子欠損マウスを用いた多面的な解析によりエネルギーホメオスタシスにおけるMGLの役割を解明することである。すなわち、(1)脂肪吸収がMGLによりどのように調節されるか、(2)MGLが脂肪代謝およびエネルギー消費に関与するかどうか、およびそのメカニズム、(3)MGLにより摂食行動がどのように調節されるか、(4)MGLが脂質性因子の産生を通じて機能する場合にはその脂質因子および産生調節様式、を実施期間中に明らかにすることが目標である。 今回、MGLによる脂質吸収メカニズムの解析では、MGL欠損マウスと野生型において、オリーブオイル経口投与後の腸管組織中の脂質成分の比較を経時的に行い、中性脂質(トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド)について、一部の成分について顕著ではないが有意な脂質含量の差異を見出した。計画していたリン脂質の網羅解析については現在のところ顕著な違いを見出すに至っていないが、測定法およびデータ解析法の改良を実施して平成28年度に詳細な解析を行う準備を行う予定である。エネルギー代謝の評価については、2重標識水法を用いたラベリング実験を予備的に実施した結果、標準飼料での飼育環境下においてはMGL欠損マウスと野生型の間に有意な差異は見出すに至らなかった。高脂肪食負荷時におけるエネルギー代謝についてさらに検討を進める予定である。その他、幾つかの実験を計画として提案していたが、マウス数の都合で実施できなかったため、平成28年度に実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの繁殖が遅れたため、実験計画に記載した内容のうち実施できていない項目がある。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの繁殖については準備が整いつつあるので、計画の遅れを取り戻すべく実験を行う。
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Causes of Carryover |
マウスの繁殖が遅れたことにより実験計画に遅れが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
脂質分析に必要な試薬等の購入およびマウス飼育関連費用に充当する予定である。
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