2017 Fiscal Year Annual Research Report
Global phosphoproteome analysis of IgG4-related sclerosing cholangitis
Project/Area Number |
15K08345
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
全 陽 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (90377416)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgG4 / 硬化性胆管炎 / 自己免疫性膵炎 / プロテオーム / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究の最終年度にあたる.昨年度までにIgG4関連硬化性胆管炎の組織片をプロテオーム解析し,原発性硬化性胆管炎に比して優位に発現が亢進,もしくは低下しているタンパクを同定した.本年度は胆管炎で得られた知見を他臓器に応用し,他臓器のIgG4関連疾患でも同様の変化が生じているのか,また同定したタンパクの発現が診断マーカーとなるのかを検証した.解析した臓器は,唾液腺,肺,後腹膜である.唾液腺ではIgG4関連唾液唾液腺炎とシェーグレン症候群を,肺ではIgG4関連肺病変と特発性間質性肺炎を,後腹膜ではIgG4関連後腹膜線維症とIgG4非関連の特発性後腹膜線維症を対象とした.IgG4関連硬化性胆管炎で過剰発現していることが明らかとなったFYN-binding proteinとallograft inflammatory factor-1の発現をこれらの臓器病変で解析したところ,予想していたとおり,これらの分子は他臓器のIgG4関連疾患でも強発現していた.2重免疫染色を行うと,硬化性胆管炎と同様にM2型マクロファージが主な発現細胞であることが明らかとなった.また,対照として用いた他疾患ではIgG4関連疾患に比してこれらのタンパクの発現は弱く,FYN-binding proteinやallograft inflammatory factor-1の過剰発現はIgG4関連疾患に特徴的であることが明らかとなった.さらに,これらのタンパクを発現する細胞は病変内にびまん性に認められ,生検検体でも陽性細胞は容易に検出でき,診断マーカーとして臨床的にも使用できる可能性が示唆された.
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