2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞接着因子claudinが大腸癌の増殖能、浸潤能に及ぼす影響の臨床病理学的解析
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15K08381
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
平川 栄一郎 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60238342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳原 康哲 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師(移行) (60746329)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大腸癌 / claudinの発現 / 浸潤、転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞間タイト結合蛋白であるclaudinの大腸癌における臨床病理学的役割を明らかにするために、大腸癌手術症例から得られた組織標本100例とヒト大腸癌培養細胞株Caco-2、SW620を用いて検討した。 今年度の研究実績として、Ki-67(MIB-1)の発現と臨床病理学的因子との相関に関して検討したところ、Ki-67 labeling indexはリンパ節転移のあるものが、リンパ節転移のないものと比較して有意に高いという結果が得られた。Ki-67 labeling indexと組織型や深達度などの他の臨床病理学的因子との相関は認めなかった。また、今年度、claudin-2の発現と臨床病理学的因子との相関についても検討したが、臨床病理学的因子との相関では、有意な相関を認めなかった。 昨年度に引き続き行った大腸癌原発巣由来細胞株Caco-2と大腸癌転移巣由来細胞株SW620を用いた免疫細胞化学による検討では、Caco-2細胞の免疫細胞化学で、claudin-1, 7は細胞膜に発現、claudin-3は核に発現し、claudin-2は細胞膜、細胞質、核に発現し、claudin-4は細胞質に発現していた。RT-PCRではCaco-2細胞、SW620細胞のいずれにもclaudin-1とclaudin-4の発現を認めた。リアルタイムPCRでは、claudin-1, 4, 7の発現は、Caco-2細胞と比較してSW620細胞で有意に減少していた。また、そのwestern blotによる解析においても、claudin-1, 4, 7の発現はCaco-2細胞と比較するとSW620細胞において発現が減少していた。一方、claudin-3の発現リアルタイムPCR、western blotによる解析において、SW620細胞はCaco-2細胞と比較して、有意に発現が上昇していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成27年度計画において、若干遅れていた大腸癌組織標本を用いた検討と解析に時間がかかり、研究計画に遅延を生じている。大腸癌培養細胞を用いたRT-PCRと免疫細胞化学による解析は実施できたが、増殖能、浸潤能のMTTアッセイ等の測定と細胞分画に応じた解析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度及び本年度の研究計画に基づき、大腸癌培養細胞の発現解析を進めるとともに、siRNAを用いたノックダウン大腸癌培養細胞を用いた増殖能、浸潤能の解析を進める。また、大腸癌培養細胞分画ごとによる解析を分画ごとの遺伝子、蛋白抽出を行い研究を推進し、得られた結果を適宜、学会報告等により発表していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、実験計画が遅延しており、物品購入が当初の計画通りに進まなかったことが大きい。また、当初の計画にあげていた旅費等を使用しなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
早急に試薬等の発注を行い、遅れている研究を進めたい。
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Research Products
(2 results)