2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of the process of pandemic Vibrio cholerae arising through the analysis CRISPR/Cas sequence
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15K08465
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹村 太地郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60572899)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環境コレラ菌 / ゲノム解析 / CRISPR |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナム北部地域において、環境水検体の収集とVibrio choleraeの選択培養による分離を継続するとともに、これまでに分離したV. choleraeのうちO1抗原を有する4株のゲノム解析を行った。いずれも主要病原因子であるCTX遺伝子は有していなかったが、1株(VNND_2014Jun_6SS)の同領域にファージ様の配列の挿入が見られた。挿入領域全長をカバーするファージはGenbank、PHAST等のデータベースからは見出だせず、新規のファージがこの領域に挿入されていることが示唆された。このファージ様領域は11のORFを持つと見られるが、部分的に既報のKSF-1ファージ(KSF-1ファージのORF_X、_IX、_VIII、_VII、_VI、_IV、_III)ならびにVCYファージ(VCYファージのORF11、10、9、8、7)に高い相同性が見られた、VPI-1領域にはもう1つの主要病原因子であるtcpA遺伝子がコードされ、同遺伝子はV. choleraeのcolonizationに寄与すると共にCTXファージの感染時にレセプターとして働くことが示されている。今回解析した4株中3株(VNND_2013Sep_4SS、VNND_2013Jul_3SS、VNND_2013Jul_5SS)がtcpA遺伝子を保有していた。tcpAの遺伝子型はこれまで10に分類されていた。本研究で同定したtcpA領域の塩基配列は病原O1株の保有する遺伝子型4,8,9、とは異なっており、ZJ59(中国)、Mex-2058(メキシコ)と近縁であった。以上の結果は環境中に生息するV. choleraeが多様性に富んだtcpA遺伝子を保有することを示し、V. choleraeの系統関係の詳細な解析にこの領域が有用である可能性ことを示唆すると考えている。
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Research Products
(5 results)