2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel interaction between virus and host innate immune system
Project/Area Number |
15K08517
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
押海 裕之 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (50379103)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自然免疫 / ウイルス / インターフェロン / シグナル / 細胞外小胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ジカ熱やエボラ出血熱など、ウイルスが原因となる感染症は個人の生命と健康を損なうだけでなく、社会の停滞やパニックを引き起こす重要な問題である。その解決は強い社会的要請がある。自然免疫はウイルス感染初期の生体防御に必須の役割を果たす。特に強い抗ウイルス作用を示すI型インターフェロンの産生は重要である。本研究計画では、この自然免疫応答に着目し、その詳細な分子機構を解明するために、感染症に対する新たな治療薬開発の分子標的の同定に必要な基礎基盤を確立することを目的として研究を進めた。 細胞質内のウイルスRNAセンサーであるRIG-IやMDA5は、ウイルス由来の二重鎖RNAを認識するとI型インターフェロンの産生を誘導する。このRIG-IやMDA5のシグナルを制御する因子を探索し、Zyxin分子を新たに同定し、これが、RIG-IやMDA5によるミトコンドリア外膜上に存在するMAVSアダプター分子の重合を促進することを解明した(Kouwaki T et al Scientific Reports 2017, 7: 11905)。 細胞のエンドソーム内にはToll様受容体が存在し、I型インターフェロン産生を含め様々な自然免疫応答を誘導する。興味深いことに我々はTLR3が活性化すると細胞から放出される細胞外小胞内のmiR-21の発現量が上昇することを解明した。これは、miR-21はIL-12の産生を抑制することが知られており、これは、自然免疫の新たなネガティブフィードバックループとして働き、過剰な免疫応答を収束させる役割をすることが示唆された(Fkushima Y et al BBRC in Press)。
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Research Products
(15 results)