2017 Fiscal Year Research-status Report
大規模医療情報基盤を利用した敗血症の治療に関する医療経済学的分析と評価
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15K08557
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 進 佐賀大学, 医学部, 講師 (60535748) [Withdrawn]
山田 クリス孝介 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教 (70510741)
本村 陽一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 首席研究員 (30358171) [Withdrawn]
櫻井 瑛一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (50612173) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 敗血症 / 医療経済 / 大規模医療情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の背景を示す。使用する薬剤の費用対効果を検討するにあたり敗血症のような重症患者の評価においては実際の医療費と患者転帰の両面から検討する必要性に直面した。また、治療薬剤も多岐にわたっており従来の報告にあるような単一薬剤の投与、非投与の2群わけの検討では十分な検討結果を導き出すことが困難であるという問題に対応しなければならなくなった。 解析の結果としては従来型の個々の薬剤に関する2群分けの結果よりも様々な治療内容の組み合わせの変化がより患者の転帰、入院日数、医療費との相関が認められることが判明した。よって、クラスター分けのクラスターの個数を医学的な見地から確認したのちに詳細な解析を行っている。 「大規模医療情報基盤を利用した敗血症の治療に関する医療経済学的分析と評価」における研究結果として様々な治療投与薬剤を転帰、医療費、入院日数の3点から使用薬剤のクラスタ分類を行なっている。その結果様々な薬剤のクラスタ分類された薬剤の組み合わせが転帰、医療費、入院日数と関連することがわかった。 この結果を踏まえ、重症患者のクラスタが時間とともに変化する点に着目した。つまり良好な転帰や安い医療費と関連するクラスタへの移動は現在の治療が妥当である可能性が高く逆に不良な転帰や長い入院期間と関連するクラスタへの移動は治療効果が不十分である可能性や医療者が把握していない新たな病態の存在などを疑わせるワーニングサインとして十分重症患者管理治療における実臨床支援に応用できうると着想した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の検討に関しては佐賀大学医学部付属病院におけるDPCデータを用いた単一施設の解析にとどまっている。 当初は複数のDPC解析の連係病院のデータ活用を予定していたが、個人情報保護法が改められた時期とも重複しており他施設の大規模データを扱うまでには至らなかったのが現状でる。 しかしながら、今までに無い新たな解析方法が敗血症などの重症患者の医療経済的な観点において有益であることが証明された点は極めて重要であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ自施設のDPCデータを用いて当初の計画に関しては概ね順調に結果を出し得ているので予算の次年度までの延長を行い、他施設のデータにおいても同様の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今回の検討が自施設のみであったため他施設のデータ研究も継続させていただくため。
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