2016 Fiscal Year Research-status Report
女性医師のワークファミリー・コンフリクトの解決と持続的就労を可能にする要因の研究
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15K08571
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
海原 純子 日本医科大学, 医学部, 教授 (30119763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦谷 まりこ 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 准教授 (40327333)
前田 美穂 日本医科大学, 医学部, 教授 (90173715)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 女性医師の継続就労 / 卒後教育 / ワークライフバランス |
Outline of Annual Research Achievements |
医師のワークライフバランスとジェンダー意識についてのアンケートを行い100名の医師から回答を得た。この調査をもとに解析し男女医師において家事育児介護の負担感が女性医師で男性医師に対し有意に高いこと、自由時間の少なさが女性医師では男性医師に比し有意に高いことが認められた。またジェンダー意識意識に関しては、男女ともに男性は外、女性は家庭をも盛るという働き方には反対の意識を持つが、男性医師の両親では男性が外、女性は内という考え方の家庭が女性医師の両親に比べ有意に高く、男性医師の育った家庭と女性医師の育った家庭では環境が異なりこうした意識の差が女性医師の継続就労に与えている影響が示唆された。具体的には女性医師は、家事育児について負担感を感じている割合が62%に登るが男性医師では、16%であり(P<0.001) 、家事をするのは主に自分という割合は女性は40%、男性医師は13%、(P<0.007 ),配偶者は、「男性は外女性は内という考え方に賛成と思っているかどうか」という質問に対し女性医師は69%、男性医師は56%で有意差はないが、自分が育った家庭では女性が仕事を持つことに反対の割合が男性医師では66%に上り男性医師の育った家庭の環境は女性が働くことには否定的な割合は女性医師の育った環境より優位に高く(p<0.001)このことが男性医師が女性医師と家庭を持つ場合に女性医師の働きにくさとかかわりを持つ可能性や男性医師の意識の中に影響を与えている可能性が示唆された。 今後そうした視点を卒後教育に反映する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査も回収し解析が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017 年11月解析結果を女性医師継続就労シンポジウムとして開催予定である。また今後医学教育の中で卒後教育としてワークライフバランスとジェンダー意識について講義などを行う方法について検討する。
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Causes of Carryover |
アンケート調査のための専用ウェブサイトの費用が見積もりより廉価で設定できたことと、スマートフォンからの回答をやめてパソコン専用の回答にしたため費用が軽減した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
シンポジウムの開催の告知や解析内容の小冊子作成として使用予定である。
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