2017 Fiscal Year Annual Research Report
Translational research of organic cation transporter as the predictive biomarker for lung cancer chemotherapy
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15K08593
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小栗 鉄也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60363925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 修 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10647332)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | OCT6 / シスプラチン |
Outline of Annual Research Achievements |
有機カチオントランスポーター6(Organic cation transporter 6: OCT6)の臨床応用を目指し、OCT6の遺伝子多型が抗がん剤治療効果予測因子としても有効性について検討を行っている。OCT6が肺癌細胞におけるシスプラチンの細胞内取り込みのトランスポーターであるため、機能的なOCT6の遺伝子多型であるrs714368 146A>Gの遺伝子多型(SNP)に着目し、このSNPについて、非小細胞肺癌患者におけるシスプラチン投与症例での効果との関連について、後方視的に検討を行った。 シスプラチン投与51症例において、血液検体から採取したDNAを用いて確認したrs714368のSNPはAA16例、AG27例、GG8例であった。Aアレルを持つAA+AG群とAアレル持たないGG群で比較をすると、シスプラチン投与後の中央生存期間はAA+AG群171日(95% CI 115-220日)、GG群66日(95% CI 14-97日)で有意にAA+AG群で奏功していた(P<0.017)。現在シスプラチンと同じプラチナ製剤であるカルボプラチンについても、OCT6の遺伝子多型と治療効果との関連について症例を蓄積し検討を進めている。 一方、rs714368 146A>GのSNPでシスプラチンをはじめとするプラチナ製剤の細胞内の濃度や殺細胞効果に影響を与えるか否かについては、未だ明確なエビデンスはないため、現在リスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)システムによるゲノム編集技術を用いて、OCT6の遺伝子多型の細胞株の樹立を行っている。現在シングルクローンを単離し、遺伝子多型の確認をシークエンスで行っており、それが確認できれば、プラチナ製剤暴露によるプラチナ製剤の細胞内の濃度や殺細胞効果に基礎的検討を進めてゆく。
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