2016 Fiscal Year Research-status Report
神経イメージング手法を用いた痛覚と痒みの脳内認知機構
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15K08685
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
柿木 隆介 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 教授 (10145196)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 痛み / 痒み / 触覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の非侵襲的計測法を用いてヒトの脳内での痛覚と痒みの認知機構を明らかにすることが主要研究目的である。さらに関連深い触覚の認知機構の研究も行う。脳波、脳磁図、経頭蓋磁気刺激(TMS)といった生理学的検査法と、機能的MRI(fMRI), 近赤外線分光法(NIRS)などの脳血流検査法を組み合わせて総合的に研究を進めていく、世界的にも最先端の研究である。 平成28年度は、かゆみ認知に関する新知見を、英文原著論文として報告した。大脳皮質感覚運動野を非侵襲的に刺激することで痛み知覚が抑制されるという現象に注目し、痒み知覚に対しても同様の抑制効果がみられるかどうか検討した。脳刺激には、微弱な電流を流すことで大脳皮質の興奮・抑制性をコントロールする経頭蓋直流電気刺激法(transcranial direct current stimulation; tDCS)を用いた。その結果、tDCSを15分間施行したところ、ヒスタミン刺激に対する痒み知覚が減少し、痒みの持続時間も短縮することが分かった。今回の研究結果は、痒みの抑制に対する大脳皮質刺激の効果を実験的に検討した初めての報告であり、今後の新たな痒みの抑制法の開発につながる成果として期待できる。本研究は朝日新聞など多くのメディアで紹介された (Nakagawa K., Kakigi R et al A transcranial direct current stimulation over the sensorimotor cortex modulates the itch sensation induced by histamine. Clin Neurophysiol,127:827-832,2016) 他に英文総説2編、日本語総説4編を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英文原著論文、日本語総説論文を多数発表した。また、国内外での学会でも積極的に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
痛み、痒み、触覚に関して行っている現在の研究をさらに発展させていく。特に、痛みと痒みに関しては、心理的効果が大きいため、「心の痛み」、「心の痒み」というテーマのもとに研究を展開していく。
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Causes of Carryover |
新しく購入予定であった機器の発売が、2017年4月以後となったため、購入できなかった。 参加予定であった国際学会が都合により参加できなくなった。 雇用予定であった研究補助員が、家庭の事情により、雇用できなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新しい機器を購入する。 国内外の学会に積極的に参加する。 研究補助員を雇用する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Pain and itch perception in humans.2016
Author(s)
Kakigi R
Organizer
Satellite Symposium of 16thW World Congress of Pain
Place of Presentation
Sheraton Miyako Hotel Tokyo, Minato-Ku, Tokyo, Japan
Year and Date
2016-09-25 – 2016-09-25
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Pain and itch perception in humans.2016
Author(s)
Kakigi R
Organizer
16th Scientific Meeting of Asian Academy of Craniomandibular Disorders
Place of Presentation
神奈川県歯科医師会館、Yokohama, Kanagawa, Japan
Year and Date
2016-09-24 – 2016-09-24
Int'l Joint Research / Invited
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