2015 Fiscal Year Research-status Report
大規模レセプトデータベースによる重症インフルエンザ発症要因に関する臨床疫学研究
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15K08730
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
横道 洋司 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (20596879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10210337)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インフルエンザ罹患 / インフルエンザワクチン / 死亡 / 脳炎 / 急性呼吸促迫症候群(ARDS) / 肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は(1) インフルエンザウイルスに関連する死亡と入院の状況を国ベースで調べ、(2) 毎年のインフルエンザウイルスの流行状況とその年のワクチンの株と使用量、個人の抗インフルエンザ薬の使用状況からそれらのインフルエンザウイルス関連の死亡と入院への寄与を明らかにし、さらに(3) 外来での予防的な抗生剤の使用がインフルエンザウイルス感染症に関連する入院を減らしているかを検討することを目的としている。 当初、国内の社会保険によるレセプトデータを取り扱う私企業からデータを有償で借り受ける事を予定していたが、国民健康保険ほかを含めたレセプトデータを国から借用することで、研究の結果がより一般化されインパクトが高まると考え、厚生労働省にデータ貸与の申請を行う事に変更し、平成28年度始めに申請を行うため準備を進めた。 国立感染症研究所および国が発表している、インフルエンザワクチンのウイルス株と使用量のデータを収集し、解析に必要な形に統合した。これにより、近年インフルエンザワクチンは製造量・使用量ともに年々増加している事が分かった。また、毎年接種されるインフルエンザワクチンは当該年度に流行したインフルエンザウイルス株を予想できていない年がある事も分かった。このデータをレセプトデータに併せて解析に使用する。 本研究で用いるポアソン回帰および線形モデルにより、乳幼児健康診査のデータおよび人間ドックデータの分析を行い発表した。他の研究者から方法について一定の承認が得られたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のアウトカムである、死亡・インフルエンザウイルス罹患が関連していると考えられる肺炎・ARDS・他の肺炎について、解析に必要な入院・外来・DPC・調剤のレセプト上の変数を選定し、解析対象者を絞った。 次回平成28年7月に、国のレセプトを管理している厚生労働省に情報の提供を申請する。平成28年9月に申請が承認され、同年10月に許可が下りれば、直ぐにレセプトデータの解析を始める。 また国立感染症研究所と厚生労働省が発表しているインフルエンザウイルス分離・検出状況とそのシーズンの季節性インフルエンザワクチン株情報、季節性インフルエンザワクチンの供給量についての情報の入手と整理を行い、インフルエンザウイルスの流行状況・ワクチンの使用量・個人の外来での抗インフルエンザ薬の使用がインフルエンザウイルスに関連した入院にどれだけ寄与し、また予防しているかの解析を行うことの準備ができた。今後、国の4年分のレセプトデータの情報を用いてこの解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
厚生労働省の審査分科会で承認されれば、本年度11月からレセプトデータと先に収集したインフルエンザワクチン株とそれらの使用状況のデータを合わせて、本研究課題のパート(1)・(2)の解析を行い、発表と公開する。続けて課題のパート(3)である、外来での抗生剤の使用がインフルエンザウイルス感染症に関連した入院を実際に予防しているかの解析を進め、次年度での発表を目指す。
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Causes of Carryover |
研究計画では、私企業よりレセプトデータを取得する事を予定していた。同様の、より日本人を代表するレセプトデータを厚生労働省から取得できる見込みとなったので、国に申請する事に変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究から派生する研究の件数が増加する見込みである。本研究とそれらの研究の学会発表・執筆に伴う英文校正・open access誌での出版費用に充てたいと考えている。
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[Journal Article] Impact of the great east Japan earthquake on the body mass index of preschool children: a nationwide nursery school survey2016
Author(s)
Yokomichi H, Zheng W, Matsubara H, Ishikuro M, Kikuya M, Isojima T, Yokoya S, Tanaka T, Kato N, Chida S, Ono A, Hosoya M, Tanaka S, Kuriyama S, Kure S, Yamagata Z
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Journal Title
BMJ Open
Volume: 6
Pages: e010978
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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