2015 Fiscal Year Research-status Report
検出・同定した胆嚢がん特異蛋白の検証とマススクリーニング検査に関する国際共同研究
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15K08753
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
遠藤 和男 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60176790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 康雄 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (60334679)
浅井 孝夫 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (60612736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胆嚢がん / 特異蛋白 / サンドイッチ法 / 血清試料 / 胆嚢がん多発国 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、研究者打合せ後に、チリ胆嚢がん患者からの血液採取、血清中の特異蛋白の有無、濃度を明らかにすることであった。本研究を開始するにあたり、新潟医療福祉大学の倫理委員会の承認を得た。 チリ研究者との打ち合わせは、平成27年度初めにメールのやり取りで行い、チリ胆嚢がん患者の試料採取を開始した。現在、試料採取は継続しており、平成29年2月にチリ研究者が勤務するSotero del Rio病院を訪問し、採取した試料を受け取る予定である。 ボリビア研究者との打ち合わせは、平成27年9月にボリビア・日本消化器センターを訪問し、病院長のDr. Lozaと会い、胆嚢がん患者からの血清試料採取を依頼し、承諾を得た。現在、採取を継続中であり、平成29年2月に同センターを訪問し、採取した試料を受け取り、日本に持ち込む予定である。 インド研究者との打ち合わせは、平成27年11月にSanjay Gandhi Post-Graduate Institute of Medical Sciences (SGPGIMS)大学を訪問し、消化器外科教授のDr. Kapoorと会い、研究打ち合わせを行った後、胆嚢がん患者からの血清試料の採取を依頼した。その後、研究プロトコールが同大学の倫理委員会の承認を得たので、血清試料の採取を開始した。現在、採取を継続中である。 平成27年度には、チリ患者から採取した試料中から検出同定した8種類の胆嚢がん特異蛋白の検出を行う予定であったが、解析は、チリ、ボリビア、インドからの試料が整い次第、同時解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究を開始するにあたり、胆嚢がん多発国のチリ、ボリビア、インド研究者との打ち合わせを行い、共同研究実施に関する合意を得た。その後、各々の国の研究者が勤務する病院、あるいは大学の倫理委員会の承認を得て、研究をスタートさせることができた。しかし、チリでの倫理委員会の承認が予定より遅れたため、平成27年度中に、胆嚢がん患者から血清試料を採取し、パラフィン固定組織標本から検出、同定した8種類の特異蛋白の検出を行うことができなかった。チリ胆嚢がん患者からの血清試料採取、試料中からの特異蛋白の解析が予定通り実施できなかった部分である。解析は、血清試料が整い次第、平成28年度中に実施できる予定で、現在、解析のための準備を進めている。、
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には、前年度に目的とした数の試料を集めることができなかったチリ、ボリビア、インドの胆嚢がん患者から採取した血清試料中から特異蛋白の検出を以下の方法で行う。 対象者は、チリのSotero del Rio病院、ボリビアのボリビア・日本消化器センター、およびインドのSanjay Gandhi Post-Graduate Institute of Medical Sciences大学病院で胆嚢がんと診断され、胆嚢摘出術を受ける患者を対象とする。術前に本研究の目的、方法、予想される結果等を患者に説明し、書面によるインフォームドコンセントを得る。 試料は、同意を得た患者から血液3mLを採取する。血液採取後20分間室温放置、その後3,000rpmで10分間の遠心沈殿、上清を血清試料として試験管に採取した後、直ちに-80℃のフリーザー中に保存する。 必要な試料数が確保され次第、保冷状態で試料を日本に持ち込み、解凍後サンドイッチ法で血清中の特異蛋白の検証を行う。その概略は、次のとおりである。特異蛋白に対する抗体(1次抗体)をマイクロプレートに吸着させる。患者血清をプレートに注入する。十分にインキュベートし、1次抗体と特異蛋白とを確実に反応させる。標識済みの2次抗体をプレートに注入し、十分に反応させる。余剰分の2次抗体を除去し、発色試薬、緩衝液等をプレートに注入する。発色のシグナルをプレートリーダーで測定する。
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Causes of Carryover |
チリでの血清試料採取が遅れたため、旅費として計上した費用が次年度に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年2月に試料受け取りのための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)