2017 Fiscal Year Research-status Report
検出・同定した胆嚢がん特異蛋白の検証とマススクリーニング検査に関する国際共同研究
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15K08753
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
遠藤 和男 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60176790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 康雄 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60334679)
浅井 孝夫 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (60612736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胆嚢がん / 特異蛋白 / 質量分析 / SRM / 血清試料 / 胆嚢がん多発国 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の計画は、健常者試料と患者試料(早期がん、進行がん)を用いて免疫染色により8種類の候補蛋白をさらに絞り込み、その後、質量分析装置により血清試料中の濃度測定を行う予定であった。 試料については、平成29年9月にサンジャイ・カンジー医科学大学院(Sanjay Gandhi Post-Graduate Institute of Medical Sciences )を訪問して消化器外科教授のDr. Kapoorらと面会し、免疫染色用として胆嚢がん患者の組織試料50例、健常者の組織試料10例、早期がん組織試料5例、進行がん組織試料5例を受け取った。また、あわせて質量分析用の試料として胆嚢がん患者の血清試料100例、胆石症患者の血清試料100例、健常者血清10例を受け取り、日本に搬入した。 免疫染色について、当初は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックでの試料提供を予定していたが、実際にはパラフィンに包埋されていないホルマリン固定組織での試料提供を受けたため、次に、これらの組織試料をパラフィン包埋したうえで、ミクロトームを用いて厚さ3μmの切片を作製した。 血清中の特異蛋白の検出については、ELISA法では有効な検出系を確立することができなかったため、より高精度な定量を行うことができるLC-MS/MS(質量分析装置)を用いたSRM(selected reaction monitoring)法による解析を行うこととした。まず、SRM条件検討のため、候補タンパク質の一つであるSTMN1のポジティブコントロール(rhGST-STMN1, MybioSource, MBS203211)についてトリプシン消化を行い、LC-MS/MSに供するサンプルの調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
免疫染色用試料をFFPEブロックで提供してもらえなかったため、予定通り免疫染色を行うことができなかった。また、質量分析装置による血清中タンパク質の定量については、SRM条件検討の段階で、LC-MS/MS装置の故障・修理対応により、実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析装置による血清中タンパク質の定量については、LC-MS/MS装置が利用可能になり次第、SRM条件の検討を進める。次に、胆嚢がん患者の血清試料100例、胆石症患者の血清試料100例、健常者血清10例の血清試料中の候補タンパク質濃度の定量を行う予定である。免疫染色についても提供された組織を利用して引き続き実施を検討していくが、組織の状態によっては困難なことも想定されるため、状況に応じて免疫染色を実施できない場合でも、ドライ解析による絞り込みで優先順位をつけたうえで、質量分析装置による血清中タンパク質の定量を試みる。
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Causes of Carryover |
(理由) 質量分析装置による血清中タンパク質の定量が未実施のため。 (使用計画) 平成30年度には質量分析装置による血清中タンパク質の濃度測定のために使用する予定である。
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