2018 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of identified gallbladder cancer-specific proteins and mass screening : an international joint research
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15K08753
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
遠藤 和男 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60176790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 康雄 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60334679)
浅井 孝夫 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (60612736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胆嚢がん / 特異蛋白 / 質量分析 / SRM / 血清試料 / 胆嚢がん多発国 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の計画は、SRM条件検討を進め、質量分析装置により血清試料中の標的タンパク質濃度測定を行う予定としていた。その後、胆嚢がん患者の血清試料100例、胆石症患者の血清試料100例、健常者血清10例の血清試料中の候補タンパク質濃度の定量を行う予定であった。 まず、インド健常者、胆嚢がん患者、日本人健常者の血清試料を用いて、質量分析の条件検討を行ったところ、日本人健常者の血清濃度は、67.5 ug/ulで一般的な血清のタンパク濃度であったのに対して、インド人の血清濃度は健常者で46.8±3.9 ug/ul、胆嚢がん患者で42.1±10.2 ug/ulとなり、健常者、胆嚢がん患者ともに血清中のタンパク質濃度が著しく低かった。また、カラムによる血清タンパク除去率は、日本人健常者で86.6%、インド人健常者で88.0±1.8%、胆嚢ガン患者で81.7%±2.3%となり、健常者と比較して胆嚢ガン患者の血清ではタンパク除去率が低かった。各ステップでのサンプル間の収率は、ばらつきも低く、再現性も高かった。各サンプルをLC/MS/MSで解析した結果、健常者のサンプルからはそれぞれ数100個のタンパク質を同定することができた。一方で、胆嚢がん患者の血清は、LC/MS/MSに供した際に、カラムにサンプルが詰まり、解析ができなかった。カラムが詰まった原因としては、サンプル中の脂溶性画分がカラム中で不溶性物質として析出したことが考えられる。 インド人の血清については、血清中のタンパク質濃度が低いことから、タンパクそのものが分解されている、もしくはその精製方法に問題があることが示唆された。また、胆嚢がん患者の血清については、血清除去カラムでの除去率が低いことから、血清中のタンパクに異常がある可能性があり、さらに健常者と比較して脂溶性ペプチドを多く含むことが示唆された。
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