2015 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者における歯周病と認知機能障害発生のリスクとの関連
Project/Area Number |
15K08814
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
岡本 希 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70364057)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10124877)
森川 将行 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (30305726)
須崎 康恵 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30382302)
水野 文子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70271202)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 認知機能 / 歯の本数 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域在住高齢者を対象とした前向きコホート研究で、歯周病と認知機能障害との関連を検証するものである。2015年度の研究目的は、認知症関連遺伝子アポリポタンパクE遺伝子の一遺伝子多型であるapoE4の影響を調整した後でも、歯の残存本数が少ないと認知機能障害(軽度認知障害および認知症領域)の発生リスクが上昇するかについて検証することであった。 2015年度に、2012年に採血し凍結保存していたDNAを使ってapoE4のSNP解析を実施した。データ解析の対象者は2007年のベースライン健診で認知機能障害がなく、遺伝子解析研究に同意した2373名であった。5年後の2012年の追跡健診で381名 (16.1%) が軽度認知障害あるいは認知症領域と判定された。多変量解析にて性、年齢、ベースライン時の認知機能検査の成績、教育年数、抑うつの有無、高血圧・糖尿病・脳血管疾患・脂質異常症・心筋梗塞の既往の有無、飲酒習慣、喫煙習慣、apoE4の影響を調整した後の歯25-32本に対する歯17-24本のオッズ比は1.45 (95%CI: 1.08-1.95, P=0.014)、歯9-16本のオッズ比は1.20 (95%CI: 0.81-1.76, P=0.362)、歯0-8本のオッズ比は1.42 (95% CI: 1.02-1.99, P= 0.040)で、歯17-24本と歯0-8本において有意な関連がみられた。本研究の結果は、歯の残存本数が少ないことは認知機能障害の危険因子であることを示唆するものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全対象者のapoE4のSNP解析を終了させた。また、2012年に採血し凍結保存していた血清を使ってヘリコバクターピロリ菌の抗体価も測定し終えた(n=2969)。
|
Strategy for Future Research Activity |
歯周病菌の抗体価の測定を進め、成人で保有率が高い歯周病菌とヘリコバクターピロリ菌の複合感染による認知機能障害への影響の大きさを検討する。
|
Causes of Carryover |
細菌の血清抗体価の測定の費用を抑制することが可能かどうか、共同研究者および外部委託する検査会社と交渉しているため、測定の時期が遅れている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
血清抗体価を測定する対象者を限定し研究を進める。2016年度と217年度はコホート研究の10年次追跡健診を実施し予定通り研究を進める。
|
Research Products
(4 results)