2016 Fiscal Year Research-status Report
新生児集中治療室においてグラム陰性桿菌の伝播を防止するために有効な制御法の探索
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15K08841
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80283430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯嶋 重雄 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00339144)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新生児集中治療室 / NICU / グラム陰性桿菌 / 医療関連感染対策 / 抗菌薬使用法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,新生児集中治療室(NICU)においてグラム陰性桿菌が伝播(拡大)していく過程を微生物学的ならびに遺伝学的に明らかにし,また,児から分離されたグラム陰性桿菌の抗菌薬使用との関連を解析することにより,グラム陰性桿菌のNICU内伝播の制御法(医療関連感染対策および抗菌薬使用法)を見出すことを目的とするものである。平成28年度は,大腸菌(Escherichia coli)が検出された1事例と緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が検出された1事例の2事例について解析を進めることができた。NICU内の環境の中で8カ所を定点として設定し,概ね1週間ごとにeスワブ(ベックマン・コールター)を用いて拭き取り検体を採取し,微生物学的検査により児から分離された菌と同一の菌の検出の有無を追跡し,同一菌種の株については遺伝学的手法(パルスフィールド電気泳動法)により遺伝子型の解析を追加した。それぞれ,10週間と5週間の追跡を行うことができ,これら2つの事例で伝播様式を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
引き続き事例の蓄積が必要であるが,計画に沿った研究は実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
NICUにおいてグラム陰性桿菌が伝播(拡大)していく過程を微生物学的ならびに遺伝学的に明らかにし,また,児から分離されたグラム陰性桿菌の抗菌薬使用との関連を解析することにより,グラム陰性桿菌のNICU内伝播の制御法(医療関連感染対策および抗菌薬使用法)を見出すことを目的として,平成28年度までの研究成果をもとに,引き続き,NICUにおいてグラム陰性桿菌が伝播(拡大)していく過程について微生物学的モニタリングを行い,遺伝学的解析の結果を踏まえて事例ごとに伝播動向をパターン化し,このデータを蓄積するとともに,NICU内伝播が示唆された事例については,抗菌薬使用状況を調査し,抗菌薬使用との関連を解析する予定であるが、平成29年度は学内施設・設備の大規模な改修工事に当たり,必要な実験機器などの利用が大幅に制限されることが想定されるため,期間延長の申請を行い,平成30年度に今年度実施予定の計画の大部分を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
対象事例数が当初見込みよりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後,より多くの事例で解析を行う予定である。
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