2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study of efficient RRS implementation method based on Team STEPPS in Japan
Project/Area Number |
15K08865
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Research Institution | National Hospital Organization, Ureshino Medical Center |
Principal Investigator |
藤原 紳祐 独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター(臨床研究部), 医局, 救急センター長 (10416563)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Rapid Response System / 院内救急対応 / チームSTEPPS / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
院内心停止の低下を目的とした医療機関へのRapid Response System(RRS)の導入は欧米諸国で推進され成果を挙げてきている。本邦では医療事故調査制度の整備による院内死亡症例把握の必要性や、さらには医師の働き方改革による医師のライフスタイルの変化の必要性が言われている昨今において、このRRSを機能するシステムとして導入することは、時代の変化に対応した病院体制を構築するためにも喫緊の課題である。今回、米国の医療、安全文化を向上させる ために設計されたチームSTEPPSの戦略を参考にし、本邦での最適なRRSの導入方法を探索し、効果的なRRSの普及、更に院内死亡率の低下につなげることが本研究の目的である。 この研究では、RRS起動数増加を目的としたRRS推進講座を企画し、計2回開催した。参加施設は、計17施設。その後のフォロー アップ研修を行なった。結果は、RRS推進講座に参加した施設の方が、参加していない施設に比較して同期間の起動件数がより増加傾向にあったことは、このRRS推進講座の受講が施設のRRS起動数の増加にある一定の役割を果たしたと判断できる。さらに、参加施設のRRS起動数をもとに、RRS導入に成功する因子を検討した。RRSが実践しやすい環境を提供できた病院が、結果的にRRSの良好なアウトカムを出すことができた可能性を示していた。RRSの実践しやすい環境づくりがRRS導入の成功の一つの要因とも考えられ、これらを改善させるような施策を病院幹部に提言することが、RRSが上手く稼働できない病院への一つの解決策と考えられた。 RRS推進講座を開催することで、どの段階において多くの施設ではつまずき、これらに対してはどのような対策が必要なのかを、明確にできる可能性があり、これらの研究成果をRRSの導入促進、普及につなげるための活動を継続していく必要がある。
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