2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of host genetic factors associated with response to a HB vaccination
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15K08986
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤井 裕美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60377124)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | B型肝炎 / 疾患関連遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27-29年度に引き続き、ゲノムワイド関連解析(GWAS)およびHLAアリルの関連解析を実施する為の検体収集を実施した。平成30年度はヘプタバックス(HBワクチンの1つ)接種の検体を中心に収集した。複数の施設から送付された検体及び臨床情報をデータベースに登録した後、東京大学大学院医学系研究科人類遺伝学分野のヒトSNPタイピングセンターへ送付した。合計861検体のゲノムDNAおよび血清を収集し、ゲノムワイドSNPタイピングを実施すると同時に、臨床情報の登録を進めた。 また平成29-30年度は、平成27-28年度に収集した約1,200検体(ビームゲン接種検体)のゲノムワイドSNPタイピングを実施し、ワクチン低反応群、ワクチン中反応群、ワクチン高反応群の3群に分けたGWASを実施した。ワクチン低反応群と高反応群を比較した結果、HLA class III領域に存在するBTNL2遺伝子が有意な関連を示した。一方3群を比較すると、HLA class II領域に存在するDRB1-DQB1遺伝子とDPB1遺伝子がそれぞれワクチン応答性に関連することを明らかにした。次に、ゲノムワイドSNPタイピングデータを用いたHLA imputationを実施し、HLAアリルおよびハプロタイプとHBワクチン効果の関連を解析した。HLAアリルおよびハプロタイプの頻度をHBワクチン低反応群とB型慢性肝炎患者群で比較した結果、HBワクチン応答性に特異的に関わるDRB1-DQB1ハプロタイプが存在することを見出した。さらにHBワクチン高反応群と健常対照群について同様の比較をした結果、HLA class II遺伝子(DR-DQ、DP)はワクチン高反応に有意な関連を示さなかった。ワクチン高反応群と低反応群のGWASでBTNL2遺伝子が検出されたことから、BTNL2遺伝子はワクチン高反応に関連すると考えられる。
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