2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel cardiorenal linkage suppressive therapy by KATP channel opener Nicorandil
Project/Area Number |
15K09072
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西垣 和彦 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60198447)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 循環器内科学 / 臨床心臓学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高齢社会の到来とともに、慢性腎臓病(CKD)が問題となっている。これは、軽度の蛋白尿や中等度の糸球体濾過量の減少が心血管系疾患(CVD)の危険因子となることが明らかになったためである。これまで、心血管系疾患対策としてメタボリック症候群対策の重要性が叫ばれてきたが、糖尿病や高血圧などと同等もしくはそれ以上の強い心血管系疾患の危険因子であるCKD対策をすすめ、年々増加している慢性人工透析移行率を減少させることCKDの死亡頻度は極めて重要である。CKDは、末期腎不全となって腎臓死するよりも、心血管系疾患で死亡する確率が高い。一方、CVDでは、腎機能が低下していることが報告されている(Anavekar NS et.al. N Engl J Med 2004)。このCKD-CVD(心腎連関)は、相互の危険因子が共通していることからも密接な関係であることが分かる。一方、未だCKDに対する効果的な腎保護作用を示す薬剤は報告されていない。本研究は、心血管イベント抑制効果が大規模試験で既に証明され、さらに基礎実験で我々が心筋虚血耐性を生じることを既に証明し得たKATP チャンネル・オープナーであるNicorandilを用いて、このCKD-CVDの心腎連関を併せて抑制することで予後の改善を得る全く新しい治療法を確立するものである。我々が開発した造影剤投与によるCKD-CVDウサギモデルを用いて、Nicorandil投与により造影剤による腎機能障害の変化を、内分泌学的、病理組織学的に比較した。また、腎機能が低下した冠動脈疾患患者に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)施行において、Nicorandilによる虚血耐性・腎保護作用が臨床的に有用であるのか、3000人規模を対象とした大規模無作為比較試験を施行して、その効果を明らかにしていった。
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