2016 Fiscal Year Research-status Report
血流解析を組み込んだ循環器診断システムの開発と次世代の予測医療の樹立
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15K09095
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
宮崎 翔平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30748132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 慶一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70458777)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 4D Flow MRI / CFD / 血流解析 / ワークステーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度はワークステーションソフトウェアを京都府立医科大学内で運用し、弁膜症の血流の評価、大動脈解離の評価などの臨床研究に利用した。ソフトウェア利用のフィードバックを元にソフトウェアの安定性の向上、様々な計測機能の追加を行った。特に4D Flow MRI計測ソフトウェアにおいてはパスライン解析、Vorticity, Helicityを始めとした流体力学的な評価アルゴリズムを多数追加することで、大動脈解離でのエントリー血流の可視化など様々な面で血流解析の機能が強化された。 また、4D Flow MRIの精度検証およびCFDの乱流モデルを始めとした計算手法のvalidationを4D flow MRI, CFDを相互に比較することで行った。4D Flow MRIは実測でin-vivoの血流速度場を得られるが空間分解能が1~4mm程度、時間分解能が50~100ms程度と荒く、wall shear stressやエネルギー損失などの血行力学的な指標を求める上で分解能が不足している。一方CFDは空間分解能を十分に細かく設定できるものの流量、圧、血管形状などを境界条件として行われるシミュレーションであり実測ではない。特に1拍動の中で流れの様相がダイナミックに変化する大動脈のような流れ場において乱流モデルの利用の是非はわかっていない。我々はCFDとMRIの血流速度場をポイントごとで比較することで至適な乱流計算方法を検証し、また4D Flow MRIの低い分解能に依存するエネルギー損失計算、wall shear strss計算の特性を明らかにし、臨床研究で用いる上での信頼性を向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試作ソフトウェアを研究協力者が精力的にテスト、運用しており、十分なフィードバックが得られているため、ソフトウェアの開発、改良が順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
ソフトウェアは完成しており、今後はフィードバックを元に安定性の向上、必要な機能の追加を行っていく。ワークステーションソフトウェアを利用して得られた研究成果を発信していくとともに、解析手法の妥当性検証に関する研究成果も論文化して発信していく。
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Causes of Carryover |
購入予定であった数値計算ソフトウェアのライセンスが同施設内の別の研究費で購入されており、購入の必要がなかったために余りが発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力者との打ち合わせのための旅費、論文掲載費、学会出張費。
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