2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of T cell dysregulation in neurodegenerative diseases
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15K09338
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹内 英之 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30362213)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミッドカイン / 制御性T細胞 / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患の病態機序における制御性T細胞の役割を解明することを目的として、アルツハイマー病モデルマウスおよび筋萎縮性側索硬化症モデルマウスを用いて検討した。まず、アルツハイマー病短期発症モデルとして、野生型ヒトアミロイドβペプチドを野生型およびミッドカイン欠損マウスの脳室内へ投与し、新奇物体認知試験にて認知機能を評価したが、改善は認められなかった。これについて、今回使用したモデルがアミロイドβの直接的な急性神経毒性を反映したモデルであり、神経外環境の変化を捉えるモデルとしては適していなかったことによる可能性が高いと考えられた。次に、筋萎縮性側索硬化症モデルとしては、国際的に汎用されているSOD1-G93ATgマウスをミッドカイン欠損マウスと交配して、ミッドカイン欠損/SOD1-G93A Tgマウスを作出し,病勢に対する影響について検討を行ったところ、SOD1-G93A Tgマウスに比して有意な生存延長を認めた。また、循環血中の制御性T細胞数および腰髄の運動ニューロン数はSOD1-G93A Tgマウスに比して有意に増加しており、逆に腰髄の活性化ミクログリア数は有意に抑制されていた。以上の結果から、ミッドカインの阻害は末梢血中の制御性T細胞増加によるグリア炎症抑制を介して神経保護作用を発揮すると考えられ、神経変性疾患の新たな治療戦略となり得ることが示唆された。
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Research Products
(2 results)