2016 Fiscal Year Research-status Report
日本人多発性硬化症の全ゲノム関連解析に基づくγδT細胞と自然免疫を標的とした治療
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15K09341
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松下 拓也 九州大学, 大学病院, 講師 (00533001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 自然免疫 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
34例の未治療のMS患者と22例の健常者で末梢血のγδT細胞受容体の使用頻度に差がないかをフローサイトメトリー法で検討した。その結果、MS患者では健常者に比して、有意にVδ1+γδT細胞が増加し(p = 0.001)、Vδ2+ γδT細胞、なかでもVδ2+Vγ9+T細胞が有意に減少していることが示された(p = 0.001)。Vδ1+/Vδ2+γδT細胞比は、総合障害度と有意な正相関(r = 0.4728, p = 0.0170)を、そして制御性T細胞の頻度と有意な負相関を示した(r = -0.5927, p = 0.0037)。さらに、TCR領域の欠失型CNVを有するMS15例、欠失型CNVを有さないMS15例、健常対照7例で、T細胞受容体α、β、γ、δ鎖のV、D、J遺伝子の使用頻度を、現在解析中である。Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis(MAP)のオーバーラッピングペプチドを抗原とするELISA法により、ヒトT細胞受容体γ鎖のC領域と交差反応するMAP295-303のみに対して抗体陽性率がMS全体で11/120(9.2%)、健常対照で1/50(2.0%)で、MS症例での陽性者は、有意にMSの疾患感受性遺伝子アリルであるHLA-DRB1*15:01アリルの保有率が健常対照より高かった(p=0.0298)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多発性硬化症患者におけるγδT細胞の機能分画を明らかにし、MAPペプチドとの交差反応、HLAとの関連についての解析が行われた.
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト末梢血からγδT細胞を誘導し、MAPペプチド刺激下でのサイトカイン発現のパターンを明らかにする。これらのパターンをTCR領域の欠失型CNVの有無において比較する。顆粒球・マクロファージでのZBTB20発現をノックアウトしたマウスでのexperimental autoimmune encehalomyelitis(EAE)導入を行い、wild typeとの比較を行う。
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