2017 Fiscal Year Annual Research Report
Therapy for multiple sclerosis targeting gamma-delta T cells and innate immunity based on genome-wide association studies in Japanese population
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15K09341
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松下 拓也 九州大学, 大学病院, 講師 (00533001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 自然免疫 / γδT細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
30例の未治療寛解期多発性硬化症(multiple slcerosis: MS)患者と23例の年齢性別をマッチさせた健常者で末梢血のγδT細胞受容体(TCR)の使用頻度に差がないかをフローサイトメトリー法で検討した。MS患者では健常者群と比較してγδT細胞中のVδ2+およびVδ2+Vγ9+細胞比率が有意に低下し、Vδ1/Vδ2比率が上昇していた。γδT細胞中のVδ2+およびVδ2+Vγ9+細胞比率は臨床的重症度と逆相関していた。Vδ2+γδT細胞中のIFNγ+およびIFNγ+IL17A+細胞比率は健常者群と比較してMS群で有意に減少していた。健常者群ではVδ2+およびVδ2+Vγ9+細胞のCD3+細胞中の比率は調節性T細胞の表現型であるCD25+CD127low/-のCD4+細胞中の比率と強く正に相関したが、MS群ではこの相関は存在しなかった。これらの結果はγδT細胞内における機能的分画の変化がMSの経過に影響することを示唆する。この結果はFrontiers in Immunologyに発表した。また私たちがMS発症リスクとして報告したT細胞受容体γ鎖遺伝子の欠失型copy number variation(CNV)の有無によりγδT細胞分画の特徴を検討したところ、CNVあり群(15例)ではCNVなし群(11例)と比較してγδT細胞中のVδ1+Vγ9-の割合が低い傾向が認められた。一方TCRのレパトア解析では、CNVあり群ではなし群と比較してTRGJ1発現が有意に低下していることが明らかとなった。またTCRレパトアの多様性についてはTCRα鎖遺伝子については健常者群と比較してMS群で有意に高かったが、γ鎖については有意なさは見られなかった。
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