2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K09491
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
高村 祥子 (赤司祥子) 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00325599)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MD-1 / RP105 / 脂質受容体 / S1P |
Outline of Annual Research Achievements |
【本年度の研究計画】(1)MD-1によるB細胞性リンパ腫制御機構を明らかにする。 ①MD-1会合脂質S1PによるB細胞活性化機構を明らかにする。②S1P/S1P受容体シグナルへのMD-1の影響を明らかにする。 【結果】①MD-1がS1Pをはじめ種々のリゾリン脂質とも結合することを、精製MD-1と脂質を用いたNative Page法にて見出した。②MD-1とのかかわりを調べるためS1P受容体欠失マウスで検討したところ、RP105抗体刺激やB細胞受容体刺激などによるB細胞の活性化や増殖反応がワイルドタイプに比べ減弱していることがわかった。またこのB細胞ではimmature B細胞が増加しmature B細胞が減少していたことから、S1PシグナルはB細胞の成熟分化にも関与することがわかった。なおS1P1アンタゴニストやスフィンゴシンキナーゼインヒビターによる結果でもS1P機能阻害によりB細胞活性化が抑制されるという結果を得た。以上よりS1PシグナルはB細胞活性化において重要であることがわかった。③B細胞受容体(BCR)やS1P受容体に対する抗体を用いた免疫沈降結果から、BCRとS1P受容体とが会合していることが判明し、S1PシグナルがBCRシグナルを強める機能があると考えられた。以上①-③は平成23-25年度基盤研究(C)「MD分子による免疫応答制御機構」より引き続き解析している結果である。これに追加し以下の結果も得ている。 ④MD-1ノックダウンB細胞ラインを用いた結果から、MD-1がS1P-S1P受容体との結合を負に制御していることが考えられた。⑤マウスMD-1に対するモノクローナル抗体を作製し、これらを用いてサンドイッチELISAの系を作った。これによりマウス血清中にも分泌されたMD-1タンパクが1ミリリットルあたり0.25-1.11マイクログラム存在することが判明した。 【考察】血清中に分泌されるMD-1はS1Pと結合することでS1P受容体への結合やシグナルを調節し、これによりS1P受容体を介したB細胞活性化の過剰反応を制御している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作製した抗体を用いたELISAアッセイや細胞レベルでの解析は順調に進んでいるが、マウスレベルでの解析は繁殖などで時間がかかり、一部予想以上に進んでいない点がある。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスレベルでの解析と並行してヒト細胞ラインやヒト検体を用いての解析も同時に行っていく。
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Causes of Carryover |
マウス実験で結果のばらつきが生じ結果を確定するためにさらなるマウスの繁殖数を増やす必要が生じたことと、ヒト検体での解析も並行して行う為必要な抗体や試薬などが増えることが予想されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウス繁殖に必要な飼育費・維持費やヒト抗体購入費用にあてる。
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Research Products
(7 results)