2015 Fiscal Year Research-status Report
強皮症の病態形成におけるCD226陽性CD8陽性T細胞の役割の解明と治療への応用
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15K09527
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塚本 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70304772)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CD226 / 全身性強皮症 / CD8陽性T細胞 / 共刺激分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は強皮症の病態形成におけるCD226陽性CD8陽性T細胞の役割の解明を目的とした。まず、フローサイトメトリーを用いて強皮症患者CD8陽性T細胞において健常人に比し、CD226陽性細胞割合が増加している事を確認し、以下の検討を行った。 1. 強皮症患者においてCD226が高発現しているリンパ球亜分画の同定: 強皮症患者と健常人についてフローサイトメトリーを用いて末梢血リンパ球を8分画に分け、それぞれの亜分画(ナイーブおよびメモリーCD4陽性T細胞、ナイーブおよびエフェクターメモリー、セントラルメモリーCD8陽性T細胞、ナイーブおよびメモリーCD19陽性細胞、プラズマブラスト)上のCD226の発現を比較した。結果として、CD226陽性CD8陽性T細胞は全身性強皮症患者で有意に増加していたが、CD4陽性T細胞、CD19陽性B細胞、NK細胞においては、全身性強皮症患者と健常者でCD226の発現に差は認めなかった。 2. CD8陽性T細胞におけるCD226の発現レベルと皮膚硬化や間質性肺炎の指標との相関: 全身性強皮症患者CD8陽性T細胞上で発現が亢進しているCD226の役割を調べるために、全身性強皮症患者の臨床所見との関連を評価した。CD226高発現CD8陽性T細胞の割合と罹病期間に関連は認めなかった。病型では、びまん皮膚硬化型で限局皮膚硬化型と比較してCD226高発現CD8陽性T細胞が有意に増加していた。自己抗体では、抗トポイソメラーゼI抗体陽性例で抗セントロメア抗体陽性例と比較してCD226高発現CD8陽性T細胞が有意に増加していた。皮膚硬化では、スキンスコアの高い例でCD226高発現CD8陽性T細胞が有意に増加していた。全身性強皮症の主要な臓器障害の一つである間質性肺病変では、extensiveな間質性肺病変合併例でCD226高発現CD8陽性T細胞が最も増加していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に経過している
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果を踏まえ次年度以降は、 1. CD226陽性CD8陽性T細胞のサイトカイン産生プロファイル 2. CD226陽性CD8陽性T細胞の内皮細胞傷害活性 などに関し、検討を進める。
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Research Products
(3 results)