2016 Fiscal Year Research-status Report
IgG4関連疾患における、補体活性化能をもつIgG4の構造的解析
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15K09554
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 浩志 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40336467)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgG4 / 補体 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgGのサブクラスのひとつであるIgG4は、他のサブクラスと異なり、補体を活性化しないことが定説であるが、申請者らは補体低下を示すIgG4関連疾患患者におけるIgG4が古典経路およびレクチン経路を介した補体活性化能を持つ可能性を見出した。古典経路の活性化にはIgG4とC1qが、レクチン経路に関してはIgG4の糖鎖が関与しているものと推察される。そのため、補体の低下を示すIgG4関連疾患患者血清よりIgG4を分離し、C1qとの結合に寄与する部位のアミノ酸解析および糖鎖解析を行うことでIgG4関連疾患の病態解明に寄与することを目指すものである。平成28年度は、血清からIgG4を分離するため、前年度に使用していた抗IgG4抗体アフィニティクロマトグラフィよりCapture Select kitを用いることとした。その結果、糖鎖の解析に必要なだけのIgG4の分離に成功した。糖鎖解析にはGlycanMap Xpressを用い、IgG4関連疾患患者におけるIgG4の糖鎖解析にも成功した。現在、健常人のIgG4についても糖鎖解析を進めている。アミノ酸解析については、FragITキットを用いてFab部分とFc部分の分離には成功したが、アミノ酸解析にはさらにトリプシンによる切断が必要であり、現時点では未着手である。今後は、トリプシンによりFc部分を細分化し、SDS-PAGEで細分化されたバンドを一つ一つアミノ酸解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IgG4関連疾患患者のIgG4の分離、糖鎖解析に成功したが、健常人の糖鎖解析の結果がまだでておらず、比較検討に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
IgG4関連疾患患者および健常人のIgG4を分離し、Fc部分について補体活性化に関与する部分のアミノ酸配列に差がないか検討する予定。
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Causes of Carryover |
購入試薬の価格等が小額ではあるものの当初想定していたよりも安価であり、結果的に小額余ってしまいました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
10,828円と小額ではありますが、次年度の試薬購入や論文校正に当てたいと考えています。
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