2015 Fiscal Year Research-status Report
小児の細菌性肺炎の鑑別に有用なバイオマーカーの検索
Project/Area Number |
15K09673
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
楠原 浩一 産業医科大学, 医学部, 教授 (20243941)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保科 隆之 産業医科大学, 医学部, 助教 (30398078)
石井 雅宏 産業医科大学, 医学部, 助教 (30461560)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 肺炎 / 喀痰 / 細菌性 / バイオマーカー / 鑑別 / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
経鼻下咽頭吸引または気管切開口からの吸引にて良質な喀痰が得られた入院肺炎患者25人(年齢中央値 4.4歳)を対象とした。25人中、喀痰の塗抹にて貪食像を認め、かつ培養にて対応する細菌が分離されて起炎菌が同定された群(細菌性肺炎群)は12人(48%)、同定されなかった群(非細菌性肺炎群)は13人(52%)であった。入院時の全血および血清・血漿を用いて種々のバイオマーカーを測定し、両群で比較した。その結果、好中球数の中央値は、非細菌性肺炎群に比べて細菌性肺炎群で有意に高かったが(15,378/μl vs. 6,903/μl, p = 0.04)、好中球のCD64発現は両群で有意差を認めなかった(1,762 molecules/cell vs. 1,775 molecules/cell, p = 0.566)一方、単球のCD64発現は細菌性肺炎群でむしろ有意に低値であった(1,902 molecules/cell vs. 2,099 molecules/cell, p = 0.002)。白血球数、CRP、プロカルシトニン、プレセプシンは両群間で有意差を認めず、それぞれ19,500/μl vs. 14,900/μl, p = 0.17;5.3 mg/dl vs. 4.7 mg/dl, p = 0.82;0.16 ng/ml vs. 0.46 ng/ml, p = 0.43;267 pg/ml vs 253 pg/ml, p = 0.49であった。これらの結果から、入院時の好中球数が細菌性肺炎の鑑別に有用である可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小児肺炎症例(細菌性+非細菌性)の検体25例分を収集し、解析を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き小児肺炎症例の検体収集に努める。
|