2015 Fiscal Year Research-status Report
母児相互作用の客観的評価の確立と発達的変化‐母乳育児中の脳酸素代謝を指標として
Project/Area Number |
15K09714
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
谷本 公重 香川大学, 医学部, 教授 (10314923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
西田 智子 香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
加藤 育子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00613720)
三木 崇範 香川大学, 医学部, 教授 (30274294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 母子相互作用 / 母乳育児 / 授乳 / NIRS / 母子相関 / 近赤外分光法 / 乳児 / 母乳 |
Outline of Annual Research Achievements |
携帯型近赤外光組織酸素モニタ装置を用いて、児と母親の前頭部循環を測定し、児と母親の同期性の視点で検討し、母子相互作用に関与する神経相関を明らかにすることを目的とした。研究参加の同意が得られ、妊娠分娩歴とその後の児に身体異常を認めなかった離乳食開始前の児とその母親、21組を対象とした。児と母親の各左右前頭部に2chNIRSプローベを装着し同時に測定した。測定は以下の3パターン。①母子分離(母児の間にパテーションを置き、顔は見えないが声は聞こえる)②ケアリング(タッチングや近くで声かけ、抱っこなど)③授乳。ExpSpectrumを用いてドリフト除去を行い、統計解析はSPSSを用いて時に対して母親のデータ時間を移動することによって母子の相関(交差相関)を検討した。その結果、分離中、ケアリング、授乳中の順で母児の前頭皮質oxyHb濃度の変化は少なくなった。母子ペアについて、交差相関係数が最大となるタイムラグを検討した結果、位相時間2.3秒を中心とした正規分布を示した。交差相関係数が最大となる状態別タイムラグはケアリング中でばらつきが大きかったのに対して、授乳中ではそれに比べてばらつきが小さい傾向にあった。交差相関をそれぞれの母児の状態別で検討したところ、ケアリング中に比べて授乳中で強い正の相関・強い負の相関がみられる母児ペアが多い傾向であった。声掛けやタッチングをするのみのケアリング中より、しっかりと肌の触れあう授乳中は、児と母親の時間軸をずらした交差相関について、負の相関や正の相関どちらにおいても強い傾向にあり、授乳は母児の脳循環に強く相互作用を期している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、研究分担者が異動のため、研究分担できなくなり、データ収集が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度には新たに研究分担者2名を加える予定であり、他の研究分担者と協力し、データ収集及びその分析にあたる予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はプレテストとして、ビデオカメラは購入せず、NIRSだけを使用してデータ収集を行ったため、物品費残高に余剰が生じた。また、学会発表および論文作成が遅れたため、旅費および英語論文校閲のための人件費・謝金に関しても残高が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
観察に必要な機器を早期に購入し、データ分析において研究補助者を雇用し、学会発表(今年度は、国内および海外)と英語論文作成をおこなうことで次年度使用額を使用していく予定。
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Research Products
(2 results)