2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09760
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
並木 剛 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50401352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50161287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の進捗状況は概ね良好であり、平成28年度に予定していた1.アポトーシス・細胞遊走能・細胞浸潤能の検討、2.NUAK2の下流シグナル伝達路を阻害する薬剤の特定 の2計画分については大部分達成できている。 1.NUAK2とPTENの増幅が異なる悪性黒色腫細胞株を数種類用いてin vitroによるアポトーシスにつき検討を行った。NUAK2についてはshRNAを用いたknockdownを、PTEN下流のPI3K pathwayの不活性化はLy294002を用いておこなった。アポトーシスについてはAnnexin assayを用いて検討。NUAK2のknockdownにより、C32(NUAK2増幅とPTEN欠失を持つNon-CSD melanoma由来の悪性黒色腫細胞株)にてAnnexin(+)・7-AAD(+)分画が10.69%から28.03%へと増加した。またSM2-1(NUAK2増幅とPTEN欠失を持つAcral melanoma由来の悪性黒色腫細胞株)ではAnnexin(+)・7-AAD(+)分画が3.35%から12.02%へと増加した。 2.予備的研究により2種類までの候補薬剤を絞っていたが、そのうちRoscovitineというCDK2を優位に阻害する作用を持つCDK阻害剤を使用して実験を進めた。In vitroにてC32を用いて細胞増殖抑制能を検討したところコントロールと比較して、低用量(5uM)にて効率良く増殖を抑制するデータが得られた。さらにマウスを用いたin vivoの実験を、C32をnude miceに移植するxenograft系を用いて行ったところ、C32にて腫瘍増大が有意(P=0.0053)に抑制された。これらの結果より、NUAK2増幅とPTEN欠失を持つ悪性黒色腫細胞に対してCDK阻害剤(Roscovitine)の有効性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に平成28年度に達成する予定であった、1.アポトーシス・細胞遊走能・細胞浸潤能の検討、2.NUAK2の下流シグナル伝達路を阻害する薬剤の特定、3.悪性黒色腫の各組織型のNUAK2発現の検討がほぼ予定通りに終了してきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も予定通りに当初の計画に準じて進めていく予定である。
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