2016 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎におけるToll様受容体の役割の解明とそれに基づく新治療法の開発
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15K09777
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
峠岡 理沙 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80464585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 真由美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60398386)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / Toll様受容体3 / 自然免疫 / ハプテン / 接触過敏反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎の病態におけるToll様受容体(TLR)3シグナルの役割を明らかにするために、TLR3欠損マウスを用いて、ハプテン反復塗布によりアトピー性皮膚炎の病態に類似した慢性アレルギー性皮膚炎を誘導し検討した。①ハプテンであるトリニトロクロロベンゼン(TNCB)の反復塗布を4週間隔日で行い、TNCB塗布開始1週間後、2週間後、4週間後の耳介の肥厚の変化を検討したところ、WTマウスに比べて、TLR3欠損マウスでは耳介の肥厚の程度は低下していた。②TNCB反復塗布開始1週間後でのTNCB塗布後の耳介腫脹の時間的変化を調べたところ、WTマウスに比べて、TLR3欠損マウスでは耳介の腫脹の程度は低下していた。③②の組織学的所見を検討したところ、表皮の肥厚、炎症細胞浸潤などの炎症所見は、WTマウスに比べて、TLR3欠損マウスでは減少していた。また免疫染色およびトルイジンブルー染色を行ったところ、皮膚組織に浸潤している白血球数、CD4+ T細胞数、CD8+ T細胞数、好酸球数、肥満細胞数、マクロファージ数は、WTマウスに比べて、TLR3欠損マウスでは減少していた。またこれらの①~③の現象は、他のハプテンであるオキサゾロンを用いた反復塗布においても生じることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究成果により、アトピー性皮膚炎の病態におけるToll様受容体3シグナルの役割についてはほぼ解明できたので、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新規治療薬の開発を目指して、TLR3アンタゴニスト投与によるアレルギー性皮膚炎マウスの炎症への効果を検討する予定である。
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Research Products
(5 results)