2016 Fiscal Year Research-status Report
治療薬標的遺伝子のメチル化及びCNVによる気分障害の治療抵抗性マーカーの創出
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15K09810
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
森信 繁 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (30191042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淵上 学 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (40403571)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Copy Number Variation / Bipolar Disorder / GSK3beta / BDNF / Lithium |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に行ったGSK3betaおよびBDNF遺伝子内のCNV計測のためのPCR実験条件に従って、双極性障害 (BP) 患者50名(F/M 19/31, 平均年齢55.5±15.0歳)と年齢及び性別をマッチさせた健康対照者50名の末梢血由来DNAを用いてCNVの解析を行った。 1) GSK3beta遺伝子内のCNV解析:Intron IIを含むnsv829628内の2ヶ所及びIntron VIIを含むnsv829697内の1ヶ所のCNVを計測したが、BP患者・健康対照者の全例でコピー数は2個であった。 2) BDNF遺伝子内のCNV解析:Exon IVからIntron IVを含むnsv95132内の2ヶ所及びExon IXからExon XIを含むnsv832095内の1ヶ所のCNVを計測した結果、nsv832095内のCNVは全例でコピー数2個であった。これに対してnsv95132内のCNVについては、Exon IV内のCNVでコピー数3個/2個がBP患者群で15名/35名、健康対照群で17名/33名であった。同時にExon IVからIntron IVへの部分のCNVは、BP群で8名/42名で健康対照群で13名/37名であった。BDNF遺伝子にみられたCNVの頻度は、BP患者群と健康対照群の間で有意な差はみられなかった。 3) BP患者群でのCNVとLithium治療反応性の解析:BDNF遺伝子内のExon IV内及びExon IVからIntron IVへの部位でのコピー数の違いによるLithium治療反応性への効果の差を解析したが、コピー数2個群と3個群との間にAlda scaleにて評価したLithium治療反応性に有意な差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BP患者50名と健康者50名のGSK3beta, BDNF遺伝子内のCNV解析を終了しており、既にうつ病患者20名のDNA抽出も済ませている。同時にExon IV promoter上のメチル化解析にも着手しており、このような進捗状況から上記の評価が妥当と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
うつ病患者群と健康対照群を対象にBP患者群でみられたBDNF遺伝子Exon IVおよびExon IVからIntron IVへの部位のコピー数について解析し、コピー数の違いによる抗うつ薬治療反応性との関連を評価する。同時にうつ病群を対象に、コピー数の違いがおよぼすExon IV promoter上のDNAメチル化率についての解析を行う。
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Research Products
(2 results)