2015 Fiscal Year Research-status Report
微量なリチウムの抗自殺作用:自殺企図患者の血中リチウム濃度を指標とした研究
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15K09838
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
塩月 一平 大分大学, 医学部, 講師 (00444886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自殺企図 / リチウム / 救命救急 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における自殺者数は3万人を下回ったものの、なお高水準にあり社会的損失も大きい。このような状況の中で、申請者らは疫学研究を行い、水道水に含まれる微量なリチウムが特に男性の自殺予防に役立つ可能性を示唆してきた。しかし、これらの結果はあくまでも疫学的に水道水リチウムの濃度と自殺の関連を示唆するものであり、実際に体内に入ったリチウムと自殺の関連については不明であった。そこで、今回の研究の目的は、高度救命救急センターを受診し入院となった患者を対象として、血中の微量なリチウム濃度を測定しつつ、自殺企図群と非企図群に分類して、両群の血中リチウム濃度を直接比較することを目的とする。今まで紹介した疫学研究の結果から、この研究における仮説は「男性の自殺企図者は男性の非企図者と比較して、有意にリチウム濃度が低いが、女性ではそのような傾向はみられない」であり、この仮説を検証する。 具体的には大分大学附属病院高度救命救急センターを受診し入院となった患者を対象として、血中の微量なリチウム濃度を測定しつつ、自殺企図群と非企図群に分類して、両群の血中リチウム濃度を直接比較することを目的とする。今まで紹介した疫学研究の結果から、この研究における仮説は「男性の自殺企図者は男性の非企図者と比較して、有意にリチウム濃度が低いが、女性ではそのような傾向はみられない」ということである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで自殺企図群 191例、非自殺企図群 78例とエントリー数を増やしている。 自殺企図群を細かく1.切迫した自殺企図群、2.意図が不明な群、3.自傷群 にわけて解析するなど、適宜、解析方法などについても定期的にミーティングをしながら研究をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もエントリー数を増やし解析を続けていく。性差、自殺企図の種類、精神科診断 など様々な因子も含めて解析してく。
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Causes of Carryover |
国際学会発表の旅費分を計上していたが、当該年度には行われなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初、予定していた国際学会発表の旅費などに使用する予定である。
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