2016 Fiscal Year Research-status Report
微量なリチウムの抗自殺作用:自殺企図患者の血中リチウム濃度を指標とした研究
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15K09838
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
塩月 一平 大分大学, 医学部, 講師 (00444886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自殺企図 / リチウム / 救命救急 |
Outline of Annual Research Achievements |
中間解析として、大分大学医学部高度救急救命センターを受診した患者のうち、同意のとれた199名を対象に31名の自殺企図患者、21名の自傷患者、147名の自傷患者の3群に分類して血中リチウム濃度の比較を行った。対数変換したリチウム濃度の平均が、自殺企図群0.58、自傷群0.74、コントロール群0.70と、分散分析で有意差傾向(F=2.91, p=0.057)をもって自殺企図群が他の2群よりも低かった。性別に分けると、男性で自殺企図群0.53、自傷群0.68、コントロール群0.71と有意に自殺企図群が他の2群よりも低かった(F=3.22, p=0.043)が、女性では自殺企図群0.68、自傷群0.77、コントロール群0.69と有意差を認めなかった(F=0.53, p=0.60)。以上の結果は、男性において微量なリチウムが男性において抗自殺効果を発揮するという仮説を支持すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「自殺群、自傷群、コントロール群の3群にわけて、男性において自殺群のリチウム濃度が有意に低かった」という結果が得られた。 引き続き、解析を続けて行く。
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Strategy for Future Research Activity |
積極的に被験者のエントリーを行っていくと同時に、性や年齢で補正しつつ多項ロジスティック解析など高度な方法でさらに解析を進める。 また、学会発表なども行う。
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Causes of Carryover |
被験者が予定数に若干満たなかったため。 予定していた学会発表を行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度足りなかった予定数も含め、積極的に被験者のエントリーを行う。 学会発表も積極的に行う。
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Research Products
(1 results)