2017 Fiscal Year Annual Research Report
Temperament and prediction of development and treatment responses of bipolar disorder
Project/Area Number |
15K09839
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 健介 大分大学, 医学部, 助教 (60398261)
白浜 正直 大分大学, 医学部, 助教 (80516097)
河野 健太郎 大分大学, 医学部, 客員研究員 (30555181)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 双極性障害 / 発揚気質 / 循環気質 / セロトニン / 縫線核 |
Outline of Annual Research Achievements |
双極性障害患者のうち、循環気質高得点群は低得点群と発症年齢はほぼ一緒だが、年間あたりの抑うつエピソードが有意に多く、年間あたりの総気分エピソード数も有意に多かった。発揚気質高得点群は低得点群と比較して、発症年齢が遅い傾向があるが、年間あたり気分エピソード数に有意差はなかった。さらに、fMRIでn-back task施行中の脳賦活部位に関して、循環気質得点の高低の主効果、罹病期間の主効果、循環気質得点の高低と罹病期間の交互作用について、年齢と性別を共変量としてモデルに採用したところ、1-back, 2-backでは有意なクラスターを認めなかったが、3-back testにおいて循環気質得点の高低の主効果として左小脳と右下頭頂小葉に有意なクラスターを認めた。また、0-back testにおいて脳幹部中脳付近に有意なクラスターを認めた。このクラスターは、循環気質高得点群の方が循環気質低得点群よりも、罹病期間が長くなるほど賦活の程度が小さくなるという交互作用を有した。中脳付近には、セロトニン神経細胞が密集する縫線核が存在し、セロトニンが双極性障害の病態生理とかかわっている可能性が大きいことや、先述したように循環気質高得点群は年間あたりの抑うつエピソードが有意に多いことを考慮すると、0-back testにおけるこの交互作用は、循環気質の患者は、双極性障害の罹病期間が長くなるほど中脳・縫線核のセロトニン機能が低下する病態を呈する可能性を示唆する(投稿準備中)。
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