2017 Fiscal Year Research-status Report
治療抵抗性うつ病のGABA機能評価によるrTMSの治療機作と反応性予測指標の解明
Project/Area Number |
15K09842
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
鵜飼 聡 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80324763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40215984)
辻 富基美 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10347586)
高橋 隼 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10508021)
山本 眞弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80423937)
坂本 友香 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90423938)
山田 信一 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70549716)
奥平 和也 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70644087)
上西 優介 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20648464)
大星 裕司 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (80782820)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は、治療抵抗性うつ病におけるGABA機能障害を神経生理学的に評価し、rTMS治療の治療機作と治療反応性予測指標を明らかにすることであり、GABA機能の評価には2連発経頭蓋磁気刺(ppTMS)と脳波ガンマ帯域活動 (GBA)を用いることを計画している。平成29年度も、前年度に引き続き、GABA機能とrTMS治療の治療機作・反応性との関連を検討するために必要な種々の脳機能・構造画像検査とその解析手法の選択・開発を目指して、脳機能・構造画像を用いた精神神経疾患の病態の検討を行った。主な内容は、1)同解析法を側頭葉てんかんに応用し、大脳の広範な領域の白質におけるミエリンの異常の存在と、その異常の程度が罹病期間と相関することを示し、側頭葉てんかんの病態把握にも本解析法が有用であることを英文論文で報告した。2)うつ病と双極性障害における認知機能障害と脳梁白質神経線維の微細構造異常の関連を検討するために、DTI のtract specific analysisを用い、両障害ともに前頭葉を連絡する脳梁白質神経線維の微細構造に障害を持ち、うつ病ではその異常が認知機能障害と関連することをこれまでに報告したが、29年度は、tract based spatial statisticsなどを応用して、統合失調症の全脳における微細構造の障害を検討し、英文論文を投稿中である。今後、得られた知見等を基に、うつ病のrTMS治療前後におけるGABA機能の変化及び白質、ミエリンを含む脳構造・脳機能の変化等を評価することによってrTMS治療の治療機作や治療反応性予測指標を明らかにしたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度から実際にうつ病患者群に対してrTMS治療を施行し、治療前後におけるGABA機能の評価、精神症状・全般機能、認知機能等の評価を行う予定にしていたが、PMDAから新たなrTMS治療機器の使用承認が行われる動きがあるなど、現有するrTMS治療機器が研究期間中に変更となる可能性があったため、結果として、rTMS治療と種々の評価の施行を平成27、28、29年度ともに延期することとなった。そのために、平成29年度を含めてこれまでrTMS治療の前後で評価すべきその他の脳機能・構造画像検査とその解析手法の選択・開発を優先しておこない、平成29年度には、研究実績の概要の項で記載したような成果を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
PMDAから平成29年9月に国内でのうつ病に対するrTMSの治療機器が認可されたことから、当初設定した研究目的に沿うように、実際のうつ病患者を用いたrTMS治療をできるだけ早期に開始して、遅れている進捗状況を改善したい。また、進捗が遅れていることから購入の判断を先送りしているGBAの測定機器の購入準備を進めるとともに、rTMS治療前後で測定・評価するその他の脳機能・構造画像検査と解析手法をできるだけ早期に確定させていく計画である。
|
Causes of Carryover |
(理由)実際のうつ病患者を用いたrTMS治療が開始できていないことによって研究の進捗が遅れている。それに伴って、購入を予定していたGBAの測定機器の購入が先送りとなったために、物品費が平成29年度に支出されなかったこと、及び、rTMS治療の前後で評価を予定して いた認知機能検査に必要な人件費・謝金が支出されなかったことが大きな理由である。
(使用計画)当初設定した研究目的に沿うように、実際のうつ病患者を用いたrTMS治療をできるだけ早期に開始する。これによって、研究の進捗の遅れから購入を先送りしていたGBAの測定機器の購入を進めるとともに、rTMS治療前後で評価する認知機能検査に必要な人件費・謝金を支出していく予定である。
|
Research Products
(9 results)