2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K09853
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朝倉 聡 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30333602)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 青年期 / 抑うつ症状 / 人格特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、うつ病は中年期のみならず青年期にも多く発症するようになってきている。このため、青年期のうつ病の発症に関わる要因について検討することは重要と考えられる。これらの要因が明らかとなり、早期に介入をおこなえるようになることは、うつ病の発症予防、ひいては自殺対策にも寄与することになると考えられる。うつ病の発症には多くの要因が関与していると考えられるが、青年期の抑うつ症状に人格特性がどのように関与しているか縦断的に検討し、有効な早期介入の方法を検討したい。 平成27年度は、大学新入生およびその他の学年の学部学生、大学院生等に対し抑うつ症状の評価尺度としてPatient Health Questionnaire(PHQ-9)を施行した。新入学生では90.6%(2345人/2587人)で回答が得られ、PHQ-9で10以上の例は2.3%、15以上の例は0.5%であった。2年時では46.7%で回答が得られ、PHQ-9で10以上の例は5.9%、15以上の例は1.8%であった。3年時では40.3%で回答が得られ、PHQ-9で10以上の例は6.4%、15以上の例は1.8%であった。4年時では53.1%で回答が得られ、PHQ-9で10以上の例は8.5%、15以上の例は3.1%であった。大学院生では51.0%(2833人/5550人)で回答が得られ、PHQ-9で10以上の例は6.4%、15以上の例は1.9%であった。学部学生においては、学年が上がるにつれ、特に4年時で抑うつ症状が強くなっている可能性が推測された。 今後は、入学時に人格特性として評価しているTemperament and Character Inventory(TCI)と数年後の在学年代における抑うつ症状の発症との関連を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学新入学生では2345例、その他の学年の4年時までの学部学生では3795例、大学院生では2833例などのデーターが蓄積することができた。入学時と比較し、特に4年時では、抑うつ症状を呈する学生が多くなっている傾向が把握できた。
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Strategy for Future Research Activity |
入学時には抑うつ症状を呈していなかったが、2、3、4年時に抑うつ症状を呈するようになった例を抽出し、入学時にTCIにより評価した人格特性が、どのように数年後の抑うつ症状に関連するかを検討していく。また、実際に大学保健センターを受診したうつ病の例については、ストレスコーピング、不安症状、自尊心・自尊感情、健康関連QOL、自殺性などの評価を行い、これらと人格特性との関連についても検討していく。
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Causes of Carryover |
今年度は、データー収集、データー入力、解析のための人件費・謝金が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はデーター収集、データー入力、解析を進めるために人件費・謝金の支出を予定している。また、各種評価スケールの整備も予定している。
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Research Products
(12 results)