2017 Fiscal Year Annual Research Report
CT enteroclysis/enterography findings in vascular lesions of the small intestine
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15K09891
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
清水 建策 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (80363109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 尚文 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40157334)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CT enteroclysis / CT enterography / 炎症性腸疾患 / 小腸腫瘍 / 消化管出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究であるCT enteroclysis/enterography(以下CTE)はこれまで小腸腫瘍や炎症性腸疾患など多くの小腸病変を検出してきた。2017年度は炎症性腸疾患(以下IBD)におけるCTEの有用性について検討した。IBDでは1)粘膜の造影効果増強、2)壁肥厚、3)壁層状化が主な画像所見として抽出され、これらは臨床的な重症度と相関が示された。軽症例では腸管壁の肥厚はないか軽度で、粘膜や壁の造影効果増強が主な所見となるが、炎症が中等度になると腸管壁の肥厚とともに粘膜下層の浮腫が強くなり、腸管壁の層構造が明瞭化し、target sign やmural stratificationと呼ばれる壁層状化を呈するようになる。さらに炎症が高度になると壁外側縁の造影効果増強や毛羽立ち所見、周囲脂肪織濃度上昇を伴う。その他の活動性炎症所見としてcomb signと呼ばれる腸間膜直細動脈の拡張像も高頻度に検出された。一方、炎症の治癒過程で生じる炎症性ポリープや粘膜の炎症と浮腫により形成される敷石像もCTEで検出できることがわかり、他の腸疾患との鑑別に役立つものと思われた。手術適応となる瘻孔や膿瘍、中毒性巨大結腸症の検出にも優れていた。これらの研究結果はCT findings in Inflammatory Bowel Disease;Kensaku Shimizu et al.Jpn J Imag Diagn,P508-518,Vol.38,No.6,2018にて報告した。また2016年度に検討した小腸腫瘍におけるCTEの有用性についてはSmall Bowel Tumors;Takayuki Kishi,Kensaku Shimizu et al.Jpn J Imag Diagn,P553-562,Vol.38,No.6,2018にて報告した。
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