2017 Fiscal Year Annual Research Report
Observation of porcine liver vessels by X-ray phase contrast image
Project/Area Number |
15K09900
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
森 浩一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90274977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 知幸 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (30704605) [Withdrawn]
関根 紀夫 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (70295434)
小原 弘道 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80305424)
中島 修一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (00735061)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射光 / 位相コントラスト / X線 / 類洞 / 肝小葉 / 中心静脈 / 豚 / 放射線技術学 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験は、高エネルギー加速器研究機構 放射光研究施設(BL-14C)において実施した。X線エネルギーは、30 keVを用いた。X線光学結晶系の配置は、Si220対称反射結晶(2枚)、非対称反射結晶、Si220 Laue型アナライザー結晶(以下、LA)とした。照射野サイズは、縦36 mm、横40 mmを得た。画像は、X線カメラ(ピクセルサイズ:50μmと7.4μm)で撮影した。 試料には、生後2-3か月,体重20kg程度のLWD豚(Landrace,Large-White,Duroc)の肝臓を4つ用いた。全身麻酔の下に開腹、大動脈より脱血し、温阻血時間は、0分または60分とした(動物実験倫理審査済)。肝動脈、門脈、肝静脈には、輸液循環ポンプ系と連結するための器具を取り付けた。4~10℃で単純冷却2~4時間、その後、UW-gluconate液を2時間ほど灌流した。 肝臓末梢系(肝小葉)の描写のために、超音波造影剤(以下、造影剤)を用いた。造影剤は、生理食塩水流に乗せて、肝動脈、または門脈より肝臓内へ導入した。門脈から造影剤を注入後、約2時間経過したときの画像には、肝臓全体に顆粒状の構造物が表れた。その形状は、多角形もしくは、ほぼ円形であった。顆粒状の構造物の直径は、1-2 mmであった。その大きさと形状から、1個の肝小葉に対応すると考えられる。別の肝臓を用いて、肝動脈から造影剤を導入した。肝臓の複数の部分領域に、顆粒状の構造物(肝小葉)が描写された。この画像を高分解能X線カメラ(ピクセルサイズ:7.4μm)で観察した結果、肝小葉内の微細構造として、類洞、中心静脈を確認した。さらに、肝小葉内に灌流低下領域の存在を確認した。LA、造影剤を用いた放射光X線位相コントラスト画像法により、肝小葉とその微細構造、低灌流領域の描画に成功した。一連の実験成果は、英文論文として投稿中である。
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