2015 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病における神経変性を可視化する細胞内タンパクイメージング法の開発
Project/Area Number |
15K09932
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 清央 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 講師 (30593652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40322747)
中條 正典 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 医員 (60727171)
福倉 良彦 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 准教授 (50315412)
中別府 良昭 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (20237374) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / MRI / CESTイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病の早期診断や他の変性疾患との鑑別診断のための画像診断法は確立していない。パーキンソン病の病因は未だ不明であるが、神経伝達物質であるドパミンを産生する黒質緻密部のドパミンニューロンが変性・脱落し、線条体でのドパミンが低下することにより症状が出現することが知られている。近年、chemical-exchange saturation-transfer(CEST)と呼ばれるMRIによる新たな分子イメージング法が注目されている。この方法は、組織中のアミド(-NH)やヒドロキシル(-OH)などの溶質とバルク水の間で生じるプロトンの化学交換にもとづく画像法である。直接MRIで観察することが困難な低濃度の化合物を、バルク水とプロトンの交換を介して、バルク水の信号変化として、間接的かつ高い感度で観察することが可能である。このうち特に内因性のアミドによるものをamide proton transfer(APT)イメージングと呼ぶ。これまで不可能だった低濃度の可動性タンパクやペプチドの高感度検出が可能となり、腫瘍の悪性度判定などへの応用が研究されはじめている。神経変性疾患における神経細胞の変性・脱落では、細胞内可動性タンパクが減少するため、細胞内タンパクイメージングは神経変性を鋭敏に捉えることができるものと思われる。本研究では、パーキンソン病の神経変性を可視化するための細胞内タンパクイメージングを開発し、それを早期診断や他の変性疾患との鑑別に応用する方法を確立することを目的とする。さらに、このよう細胞内タンパクイメージングが確立されると、パーキンソン病以外の神経変性疾患にも広く応用可能な、新たな画像的アプローチとなり得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パーキンソン病は安静時振戦、筋強剛、無動、など運動障害のみならず、便秘、頻尿、発汗異常、起立性低血圧などの自律神経障害、さらに認知機能障害が起こる。そのために、神経内科や精神科、心療内科など複数の診療科に患者が分散している。そのため、まとまった症例の蓄積が遅れている。 また、様々な症状を呈するためか、現在のところMRIで特異的所見が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
各科におけるパーキンソン病患者を把握していく予定である。 またCESTイメージングはごく微量の信号変化を捉える手法であり、現時点では、パーキンソン病患者における特異的所見は捉えられていない。今後症例を蓄積して、さらなる検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況が当初の予定通り進んでおらず、予定していた学会発表が出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を進め、次年度に学会発表する予定である。
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