2017 Fiscal Year Annual Research Report
The normal biodistribution of the short half life alpha radionuclide At-211 and the evaluation of thyroid cancer accumulation.
Project/Area Number |
15K09955
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下瀬川 恵久 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (30370258)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 隼人 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教 (30649083)
金井 泰和 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (60397643)
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
渡部 直史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90648932)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | アスタチン-211 / At-211 / 甲状腺癌 / α線 / アルファ線 / 内用療法 / 核医学治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、甲状腺癌担癌モデルを作製し、At-211の腫瘍集積性、およびAt-211のα線による腫瘍縮小効果について検討した。分化型甲状腺濾胞癌のK1細胞株に対してsodium/iodine symporter (NIS)をtransfectionによる遺伝子導入で強発現させた細胞株(K1-NIS細胞)をNOD/SCIDマウス11週齢の腰部皮下に移植した。移植47日後に乾式分離したAt-211(アスコルビン酸添加)0.947±0.012MBqを尾静脈から静注し、SIEMENS製e-camガンマカメラにて静注30分後、3時間後、24時間後にAt-211の生体イメージングを施行した。その結果、3時間後および24時間後のAt-211の腫瘍集積はそれぞれ17.3±0.09%/ID、18.1±0.29%/IDであった(n=2)。撮像終了後に臓器を摘出し、各組織の放射能値を測定した結果、甲状腺、肺、胃、腫瘍組織の順にAt-211の集積が高かった。肺へのAt-211集積については、蛍光顕微鏡および組織染色の結果、肺出血とK1-NIS細胞と推定されるGFP発現細胞が多数認められ、多発肺転移が疑われた。 また、移植後の腫瘍のサイズをAt-211投与群(n=3)とNIS vector群(n=3)で比較した結果、NIS vector群では移植5日以降から腫瘍サイズに増大傾向を認めたが、At-211投与群では投与8日後から腫瘍サイズが縮小した。一方、At-211投与群とNIS vector群ともに有意な体重減少は認めなかった。本研究の結果から、At-211は分化型甲状腺癌細胞への集積とα線による直接的な癌細胞への治療効果が期待された。アスコルビン酸添加によるAt-211の製造については、「アスタチン溶液及びその製造方法」を発明名称として、特許庁に特許出願した(特許出願番号:特願2017-255109)。
|