2015 Fiscal Year Research-status Report
ドパミントランスポーターSPECTの三次元的定量法の開発
Project/Area Number |
15K09973
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90247643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 貴弘 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (30597604)
武藤 多津郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60190857)
秦 龍二 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90258153)
市原 隆 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (90527748)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / ドパミントランスポーター / SPECT / 123I-FP-CIT / MRI / 散乱線補正法 / 減弱補正法 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン症候群やレビー小体型認知症は、黒質線条体ドパミン神経細胞が変性する運動失調疾患であり、その神経終末に存在するドパミントランスポーター(DAT)密度が低下する。ドパミン神経細胞の投射先である線条体は、尾状核と被殻からなる。線条体におけるDAT分布密度を反映する123I-FP-CIT SPECT画像を詳細に評価できれば診断に寄与すると考えられる。 正確な定量評価を行うために、線条体の新しい三次元標準ファントムを考案・作成し、軽症及び重症のパーキンソン病を想定したモデル実験を行い、散乱線補正法(TEW法)、減弱補正法(Chang法、CT法)に関して基礎的に検討した。また臨床画像の評価として、正常ボランティア症例に対し123I-FP-CIT SPECTと頭部MRI画像を撮像し、正常データベース収集を行った。 一断面での評価では、線条体ーバックグラウンド比の誤差が大きく、部分容積効果が原因と考えられた。三次元関心領域による線条体カウント総量の評価では、設定値に近い測定値が得られた。散乱線補正法と減弱補正法無しと比較して、両補正法ありでは線条体集積の誤差(過小評価)が小さくなった。特にCTによる減弱補正法では真値にもっとも近かった。DAT SPECTの定量評価に散乱線補正法と減弱補正法が有用と考えられた。定量評価において、減弱補正法はChang法よりもCT法の方が正確であった。 現在までに24名、平均年齢71.3歳の正常ボランティアの測定を行った。今後症例数を増やし、他施設でも利用可能な共通データベースを構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規線条体ファントムの作成を行い理論的な仮説に合致する実験結果が得られた。正常ボランティアの収集も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
三次元的線条体の定量法の開発のために、SPECT画像とMRI画像の正確な合成画像の作成は次年度の研究課題である。臨床例による評価も定量法確立後に行う。
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Causes of Carryover |
今年度は新規線条体ファントムの作成と基礎的検討、正常データベース収集の研究を行ったが、SPECT画像とMRI画像の三次元的合成画像の作成と解剖学的妥当性の検証は次年度以降の検討項目となったこと、臨床データの検証は次年度以降の課題であるため、共同研究者の研究費は次年度以降に使用することとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
SPECT画像とMRI画像の三次元的合成画像の作成し、3次元的関心領域の作成について検証する。解剖学的妥当性について解剖学教室と検証を行う。臨床データを臨床所見とも比較し、妥当性を検証する。標準データベース構築を確立し、臨床データと比較することにより検証を進める。放射線科、核医学のみでなく、他領域の学会においても発表する。論文執筆を進める。
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