2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K10000
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10235153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 未央 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30608922)
福島 悠希 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60749787)
土屋 高旭 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90631169)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 子宮頸癌 / DNA修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線による細胞死では、DNA損傷の一つであるDNA二重鎖切断が重要であり、その主な修復機構の一つに非相同末端結合がある。これに関与する蛋白として、XRCC4、DNA-PKcs、Ku70、Ku86があるが、これらの蛋白発現の強度と放射線治療成績の相関性を解析し、治療効果の予測因子となりうるかを検討した。 2000年から2011年までに当院で子宮頚癌に対して術前放射線治療を施行した症例中、扁平上皮癌と診断された119例を対象とした。年齢中央値は46歳、FIGO分類のStage I期は46例、II期は73例で生存症例の観察期間中央値は79ヶ月であった。 治療前における、生検組織を用いて、前述した蛋白について免疫染色を行った。標本の腫瘍組織の中で最も強く染色される領域について、蛋白の発現率を算出した。 生検検体でのKu86とXRCC4発現と放射線治療効果についてROC曲線を参考にカットオフ値を設定し、Ku86カットオフ90%、XRCC4カットオフ82%のとき、Ku86とXRCC4が両方ともカットオフ値以下であればpCR率は47.4%、それ以外では病理学的完全奏功率(pCR)率21.3%であり、Ku86とXRCC4が両方とも低発現であれば有意にpCR率が高い結果であった。 病理学的完全奏功をエンドポイントとしてロジスティック回帰分析を行ったところ、ステージやリンパ節転移有無や化学療法の併用などの因子は有意差はなく、Ku86とXRCC4が両方とも低発現であることが多変量解析でも唯一の予測因子であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の一つとして、生検標本を使用した免疫組織染色による放射線治療効果予測法の確立を目指すことがあるが、子宮頸癌で、有望な結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
生検標本を使用した免疫組織染色による放射線治療効果予測法の確立ための研究をさらに進める。この研究と並行して、リンパ細胞の放射線誘発核内ヒストンH2AXフォーカスの測定による放射線障害予測法の確立の研究も行う。
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Causes of Carryover |
概ね使い切ったものと思われる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫組織染色やヒストンH2AXフォーカスの研究を行う。これらの研究における消耗品、実験補助のための人件費、学会参加のための費用などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)