2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K10016
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
藤 浩 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (70426435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 紘正 日本大学, 付置研究所, 准教授 (00470005)
松本 公一 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (00516742)
千葉 敏雄 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (20171944)
糟谷 周吾 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (30589396)
鈴木 康之 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (60179265)
寺島 慶太 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (70649681)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 小児がん / 位置決め / 画像誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小児放射線治療のための位置姿勢保持装置の開発を目指しており、初年度は1.新型支持器具の作成と使用法の確立、2.前面開放型支持器具性能評価ための臨床試験の開始、3.複数体表面計測装置の開発を目指していた。新型支持器具の作成と使用法の確立については、頭部の放射線治療を実施する小児がん患者5名に対して、新型支持器具を使用し、使用方法の検討を行った。従来の固定具作成よりも迅速かつ、高精度な固定具を作成する技術を確立することができた。また新型固定具の使用法を改善するために、従来の固定具の問題点の分析を行い、これについて学術報告を行った。2.前面開放型支持器具の性能評価の臨床試験については、まだ開始されておらず、臨床研究の計画の修正を行っている。この試験では磁気式位置計測装置を用いて、患者の位置を測定し、新型支持器具の固定精度を測定する計画であった。しかし磁気式位置計測装置を導入し、装置の前臨床的評価を行ったところで、この装置の位置測定精度が、予定していた臨床試験を行うのに十分なものでないことが判った。そのため臨床試験の実施内容を修正し、再策定を行っている。3.複数体表面計測装置については、当初予定していた機能よりも向上させた試用装置の作成に成功した。2の前面開放型支持器具の性能評価の臨床試験で用いる予定であった磁気式位置計測装置の性能に限界があることが明らかになったことを受けて、新たに開発する複数体表面計測装置による位置計測を行う臨床研究を早期に、正確に行う 必要にあった。そのため実用的で、精度の高い複数体表面計測装置を製作を加速させ、計画していたものより高機能な装置の開発に成功した。現在、複数点体表計測装置を用いた臨床試験を円滑に行うために、装置の操作性の改善をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では放射線治療用位置決め装置の新規開発にあたり、新しい装置の目標設定と既存装置との差別化すべき特性を明確にする作業を開始した。既存の位置計測装置として、磁気式位置計測装置の性能評価とこの装置を用いた臨床研究に着手しようとしたが、磁気式位置計測装置の導入が、入札などの事情で大幅に遅れてしまった。導入された磁気式位置計測装置の性能評価を開始したところ、この装置の位置計測精度が、報告されているものと大きく異なっていた。そのため、その原因の解析に時間を要してしまった。また解析の結果明らかになった磁気式位置計測装置の性能では、当初の予定していた臨床研究が行えないことがわかった。このため磁気式位置計測装置による前面開放型支持器具装置の臨床研究の研究計画を修正することとなった。新規に位置計測装置として開発する複数点体表面計測装置についても、購入時期が予定より遅くなったが、装置の開発自体は順調である。しかし複数体表点計測装置の試用の時期が、計画段階より遅れている。複数体表点計測装置については新規の医療器械として開発し、知財登録のための作業を並行して進めている。本装置の知財登録のために、研究協力者との契約締結を進めているが、この手続きに時間を要しており、試用時期が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の前半に予定していた、磁気式位置計測装置による前面開放型支持器具装置の臨床研究よりも、複数体表点計測装置の開発とこれを用いた臨床研究を優先する。複数点体表計測装置の性能向上が実現したことから、より実用的な装置として評価研究を行う。具体的には装置付属ソフトウェアの操作性を考慮した改善、装置の運用手順の分析、改善を行う。この結果をもとに知財登録を目指す。複数体表点計測装置を用いた臨床研究を年度内に開始する。
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Causes of Carryover |
本研究で使用する機器の導入が遅れたため。 前臨床研究の成果が想定したものと異なる結果が得られたため、その研究成果報告と 、引き続き行われる予定であった臨床試験に必要な経費を計上することができなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度予定していた前臨床研究の成果報告と臨床試験の開始を本年度中に実施する。
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Research Products
(2 results)